フレームワーク思考とは何か?

 

問題解決をするためのフレームワークに『空ー雨ー傘ー紙』というものがあります。
これは、問題解決をするために必要な4ステップをフレームワーク化させたものです。
(『空ー雨ー傘ー紙』の概要については他ページを参照してください!)

 

当サイトでは『空ー雨ー傘ー紙』の概要に加えて、『空ー雨』の詳細をご紹介してきました。
今回は、問題解決の3つ目のステップである『傘』について、詳しく見ていくことにしましょう!

 

『空ー雨』の段階では、
作業に満足してしまって『傘』の段階までステップを進められない危険性があるところを紹介しました。

 

では、『傘』における注意点とは何なのでしょうか?

 

『傘』は問題解決のステップにおける解決策を提案する段階です。
ここでやるべきことをしっかりと押さえて、あなたの問題解決能力をググッと高めてくださいね!

 

 

カッコよさよりも、泥臭さが大切!?

『傘』における最も大切なポイント・・・。
もったいぶらずに、言ってしましましょう!

 

それは、『カッコつけないこと』です。

 

先ほども書きましたが、『傘』では問題に対して、ファクトを収集し、それを分析した上で、
『じゃぁ、具体的にどうするの?』という質問に対して、具体的な回答を出すことになります。

 

 

 

ここで、やってしまう間違いが、『じゃぁ、具体的にどうするの?』という質問に答えずに、
見栄えが良いだけで、全然”具体的”ではない提言を作ってしまうことです。

 

例えば、『当事業所の利用者数を増やすには度す売れば良いのか?』という課題に対して、
あなたの事業者が置かれている状況、顧客の声などのファクトを集め、それを分析したとしましょう。

 

そして、その結果、お客様(利用者さん)が事業所に愛着を持ってくださると、
それが口コミをよび利用者数が増加するという分析が得られたとします。

 

次に『傘』である提言を行うのですが・・・、
ここで・・・

『顧客満足度を向上の推進』

のようなカッコ良い言葉を並べただけの提言をしましまったり、

『お客様から喜ばれるサービスの提供をしましょう!』

のようなスローガンのような提言をしてしまうという間違いを犯してしまうのです!

 

断言してしまうと、『◯◯の推進』、『◯◯の強化』、『◯◯の達成』と言った言葉は、
見栄えは良いですが、提言ではありません。
なぜなら、『じゃ、具体的にどうするの?』という質問に答えていないからです。

 

 

提言をするなら、押さえるべき3つのポイント

 

では、”具体的”な提言とはどのようなものなのでしょうか?

 

それは、
『何を優先してやるべきか?』が明確になっているものです。

 

ここで、提言をすることに慣れていない人は、
『えっ!?優先順位を決めるの!?』
『具体的提言するんだから、やるべきことを全部リストアップして、全部を実行すれば良いじゃん!?』
と考えてしまうかも知れません。

 

確かに具体的な提言をするためには、すべての選択肢を吟味しなければなりません。
しかし、だからと言って、すべての選択肢を実施するわけにはいきません。

 

なぜなら、やるべきことを列挙するのは簡単でも、
それを実行するためにあなたが使うことができるリソース(お金・モノ・人など)は限りがあるからです。

 

特に、医療・介護の現場で持ち上がる課題を解決するに当たっては、
あなたが有している『人材』・『時間』というリソースをいかに活用するかが大切になります。

 

『あれもやらなきゃ!』
『これもやらなきゃ!』
と、すべてのことに手を出して、現場の人が疲弊してしまったら、
どんなに素晴らしい提言であっても、効果を出せなくなってしまうのです。

 

 

 

このように、『傘』の段階では行う提言で重要なことは、
『◯◯をするべき』というものではなくて、
『◯◯をする』という優先順位を絞り込んだ上で行う、具体的な行動を決めることです。

 

 

ここまでの理解は大丈夫でしょうか??
ここまでの流れは理解できたとしても・・・
『じゃぁ、実際に具体的な提言ってどうやって作れば良いの・・・?』
そんな疑問があなたの中に浮かぶかも知れません。

 

では、さっそく具体的な提言をする際に抑えてくべき3つのポイントをご紹介しましょう!

 

提言ポイント1;何をするか

提言をするポイントの1つ目が『何をするか』を明確にすることです。

 

提言をする際には、限られたリソースを有効活用するために、優先順位を意識すると述べましたが、
まさに『何をするか』を明確にすることは、『優先順位を明確にする』ことと同じです。

 

先ほどの例を持ち出してみると、『顧客満足度を向上の推進』をしたいと考えるならば、
顧客満足度を向上させるために出来る具体的な行動を提言としなければなりません。
そのための手段は様々ありますが、その中で一番優先順位の高い選択肢を選べば良いのです。

 

 

例えば、
『まずはお客様のニーズを的確につかむために、お話を聞かせていただく時間を作るのことが大切だ!』
とあなたが考えたのなら、

 

『お客様のニーズは何かをお客様に寄り添って聞き取りを行う』
『聞き取り内容をサービス提供プランに反映させる』
といった提言をすれば良いのです。

 

『まずは、何よりも、お客様のお話を聞くことから始めよう!』と行動の優先順位が決まることで、
現場のスタッフもどこに力を尽力すれば良いのかが分かりやすくなるでしょう!

 

 

提言ポイント2;何をしないのか

続いて2つ目の提言ポイントは『何をしないのか』を明確にすることです。

 

これは1つ目のポイントの裏返しでもあります。
つまり、『何をするべきか』を決めるということは、同時に『何をしないか』を決めるということでもあるのです。

 

するべきこととして、
『お客様のニーズは何かをお客様に寄り添って聞き取りを行う』、
『聞き取り内容をサービス提供プランのに反映させる』、
と決めたのなら、

 

『サービスに特典をつけることはしない』、
『値引き交渉はしない』、
とやらないことを明確にするのです。

 

この『やらないこと』を決めることで、現場のスタッフはますます『やるべきこと』に焦点を合わせやすくなります

 

 

 

また、『やらないことを決める』の中には、
提言を実施することで引き起こされるネガティブな要素を受け入れる覚悟を持つことでもあります。

 

例えば、『お客様の話を親身になって聞く』ということをすれば、
その分、今までよりもお客様にかける時間がかかってしまいます。

 

そのために、他の業務が圧迫されたり、一時的に残業時間が増えるかも知れません。
でも、これらのことをあらかじめ想定しておき、
そのネガティブな要素を甘んじて受け入れる覚悟を持つことが必要になるのです!

 

『優先順位をつける』とは、すべての選択肢を『取捨選択すること』であり、
『やらないこと』・・・つまり、『何を捨てるのか?』を明確にすることで、
あなたが作る提言はより具体性を持ち、より強力なものになっていくのです!

 

提言ポイント3;ゴールは何なのか

最後の3つ目の提言ポイントは、『ゴールは何か』を明確にすることです。

 

提言において大切なことは、問題を解決することです。
問題を解決するとは、言い換えれば、課題を解決することで何らかの『成果』を出すことです。

 

そこで提言の内容をより明確に、かつ効果的なものにするためには、
『何を持って、成果を得たとするのか?』というボーダーラインを示す必要があるのです

 

ボーダーラインを示すことで現場スタッフは、
『ああ!これを目指して自分たちは取り組みを行っているんだな』と強く認識することができ、
自分たちが行う行動の意味を認識しながら仕事に取り組むことができるようになります。

 

私自身、そうなのですが、仕事の成果・達成の目安を示されないままに、業務だけを押し付けられると、
仕事に対するモチベーションがダダ下がりしてしまいます。
また、達成すべき成果が見えないために、
今の自分は頑張れているのか、まだまだなのかが分からず、結果として業務の効率も悪くなってしまいます。

 

あなたの場合だとどうでしょうか?
私と同じように、仕事の『ゴール』が不明確なために、
しっかりと仕事に取り組めなかった経験があるのではないでしょうか?

 

 

 

このような思いを現場のスタッフにさせないためにも、
提言のなかには『ゴール』を明確にして盛り込んでおく必要があるのです。

 

『でも、ゴールってどんな風に明確にすれば良いの?』
そんな風に『ゴール』何て聞くと、あなたは難しく感じてしまうかもしれません

 

 

でも、実はそれほど悩む必要はなくて、要は・・・
『いつまでに』
『どんな結果を』
手に入れば良いのかを書けば良いのです。

 

先ほどの顧客満足度向上の例なら、

『1年間をかけて、顧客ニーズの聞き取りとサービス提供プランの見直しを行う。』
『取り組み開始3年以内に、当事業所への新規利用者申込者を30%増加させ、サービスに対するスタッフの稼働率90%を達成する。』

のように、『いつまでに』『どんな』成果を手に入れたいかを明確にすると良いでしょう。

 

カッコ良いものがカッコ良いわけじゃない!

いろいろと細かい注意点に関して紹介してきましたが、今回、私があなたに伝えたいことは1つです。

 

『成果の出ないカッコよさよりも、成果の出る泥臭さ』

 

つまり、難しい言葉や考え方を使うことに意識を向けるのではなく、
簡単でわかりやすい概念で良いから、
現場のスタッフが自分たちの力を発揮できる提言をすることにこそ意味があるということです。

 

今回の提言をおこなう『傘』にしろ、その他の『空』、『雨』、『紙』にしろ、
これらのフレームワークは”結果”を出すために存在しています。
けっして、分析したり、カッコよく見せたりするためのものではないのです。

 

『フレームワークは結果を出すために存在する』
この基本的だけど、とっても大切なことを頭に置きながら、
これからもたくさんのフレームワークを吸収してくださいね!

 

 

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