営業における問題解決を行う意味とは

営業とは問題解決を一緒に行うパートナー

 

 「営業」」と聞くとあなたはどのようなイメージがあるでしょうか? 私は営業を学ぶ前までは、「営業=売り込みをする」ことと思っていました。

私が病院で勤務していていた時は営業活動とは関わりがなく、「営業=売り込みをする」だという思い込みを持っていたため、営業を「される」のも「する」のも嫌なことだと思っていました。

しかし、介護業界で働きながら営業の本質を勉強すればするほど、私の中の「営業」の定義は塗り替えられ、営業に対するイメージが大きく変わりました。

もしかしたら、あなたも、昔の私と同じように営業に対しネガティブな感情を持っているかもしれません。
そこで今回は、営業の本質である「営業とは何をする仕事なのか」というビジネスフレームワークをお伝えします。

大多数の人達が苦手意識をもち結果が出ないと悩む一方で、大好きで仕方がなく結果が出ない方が不思議だという人がいる「営業」。その本質とは何なのでしょうか?

営業活動は「人間関係」を作ることから始まる

営業を成功させようと思ったら、いきなり売り込みを行うのは問題外です。
あなたが営業を行う際に行うべきは、お客様と「人間関係」を築くことです。

「今日も営業成績が伸びなかったなぁ」と悩むよりも前に、「今日も人間関係を前に進められなかったなぁ」と反省するべきなのです。

その理由は簡単で、営業される立場になればよく分かるのですが、
人間は「信頼する人や好感を覚えた人からモノを買いたい」と思う生き物だからです。

営業の目的はもちろん「モノやサービスを買ってもらうこと」です。
でも、モノやサービスを購入してもらう前提条件として「人と人との信頼関係が存在している」ことが大事になってくるのです。

私たち夫婦が引っ越しをした時の話なのですが、大手の引っ越し業者である2社に見積もりをお願いしました。1社目の営業マンは、とても笑顔がさわやかで、ハキハキと受け答えのする人でした。話をしているとこちらの緊張を和らげてリラックスさせてくれるような雰囲気を持っている人でした。

私たちは出来るだけ引っ越し代金を抑えたいことを伝えました。私たちの話を親身に聞いてくれた営業マンは、プランを検討し、上司に2度も電話相談した上で、通常代金よりも割引をしてくれることを約束してくれました。

もちろん、その一連の流れは引っ越しの営業マンが誰でも行う手法であることを知っていたので、割引を条件に契約することはせずに、もう一社の見積もり結果と比較して最終契約をすることを営業マンに伝えました。すると、その営業マンは今まで以上の笑顔で「良い引っ越しが出来るといいですね!またお電話いただけるのをお待ちしていますね」と温かい言葉を掛けてくれ、名刺を置いて帰っていきました。

私は「また、電話します!」と言って、玄関先で彼を見送りました。
その時ぼんやりと「たぶん、この引っ越し業者さんにお願いすることになるんだろうなぁ」なんて考えていました。

1時間半後に2社目の営業マンがやってきました。彼は先程と対照的なタイプで、仕事はテキパキとこなしますが、愛想がなく冷たい印象を受けました。早口でプレゼンテーションを進められ、私たちとの会話も少なく感じました。

セールスの流れは1社目の営業マンと同じでした。プランの検討、上司への電話相談、割引の提示。
ひとつだけ違っていたのは、提示された金額でした。
2社目の方が1万円も安かったのです。

私たちは悩みましたが、判断基準を「出来るだけ安く引っ越しをする」と決めていたので、結局は2社目の業者さんと契約することにしました。

このとき、「出来るだけ安く引っ越す」という目標は達成できたものの、私の心にはモヤモヤした感情が残りました。また、1社目の営業マンの方に断りを入れる電話をするのが非常に心苦しかったです。
その営業マンは電話口で「そうですか…。でも、希望の引っ越しが出来そうでよかったですね。また、機会があれば私たちにも声を掛けてください」と言ってくれました。

最後まで私たちを気にかけてくれた彼を裏切ったような気がして、後味が悪かったのを覚えています。
それと同時に、営業において「信頼関係を築く」ことが、いかに大切なことかを身をもって知ることが出来き、いい勉強になりました。

結局、人間は感情の生き物なのだから、「論理がいかに正しいか」よりも前に、「どれだけ感情的に営業マンを受け入れることが出来るか」の方に力を入れることがより重要だということです。

信頼関係構築のために、お客様への情報発信・問題解決のサポートをする。

では、人間関係を築き、お客様から信頼してもらうにはどうすればいいでしょうか?
その第一歩として「お客様への情報提供や問題解決のサポートをする」ことから始めるとよいでしょう。

自分のことを理解してくれて、問題解決するためのアドバイスや協力をしてくれる人がいたら、
だれでもその人のことを好きになります。
この人間の心理は営業の場面でも同じです。

つまり、営業場面とは「商品を売りこむ時間」ではなく「相手の悩みや困りごとを傾聴し、自分で出来る限りのアドバイスや問題解決策の提案を行う時間」と考えるのです。
お客様の問題解決策の選択肢の一つとして、自分たちの商品があるのならば、その時はじめて、商品の説明をすれば良いのです。

訪問リハビリに従事する私の友人の理学療法士は、他事業所をあいさつ回りする際に、必ず事業所のスタッフさんと情報の交換を行うと共に、『最近、困った事例はなかったですか?』と質問しているそうです。

そして、事業所スタッフさんから介護現場での困りごとを聞き出せたら、自分の知識をフル動員してアドバイスをします。言葉のアドバイスだけで解決できない時は、実際に現場に出向いて、指導を行うと言っていました。

 

彼は一日の半分をこういった活動に充てるために、シフトを調整してもらっているそうです。確かに、彼自身の訪問リハビリの件数は減少しますが、彼の事業所には利用者さんの紹介が絶えません。彼の数時間の活動が結果として何十万円もの売り上げに直結しており、費用対効果は非常に高いです。

これも「売ることは一切考えず、一緒に悩み、一緒に成長する」パートナーになろうとする態度や努力が結果的に営業活動になっている事例だと思います。その努力をすれば、それ以上のものが得られるのです。

このように、「営業とは売り込むこと」という思い込みを捨てて、「営業とは、お客様への貢献から生まれる信頼関係の延長線上にあるもの」という定義を選んでください。

売りたい気持ちは一旦わきに置いておいて、目の前の人が何に困っているのかを共有してください。そして、「あなた」にできるアドバイスや解決策の提案があれば出し惜しみせず行いましょう。そういったあなたの姿勢や想いがかならず相手に伝わり、あなたは思っていた以上の物を手に入れることが出来ていることに気づくでしょう。

Sponsored Link
Sponsored Link


HOME フレームワークって何? フレームワークを学ぶ意義は? 当サイト活用3つの戦略 プロフィール お問合せ