セオリー通りに考えることについて

セオリー通りに考える

 

あなたは、仕事上の問題が発生して対応をしなければならない時や新しいプロジェクトを始める時に、全体を俯瞰しながら物事を進めていくことができますか?

私も若い時は仕事上で苦情対応やプロジェクトの進行をしていく上で、客観的にプロセスを見ることができず、感情や思いつきに任せて行動してしまい、『もっと深く考えてから行動しろ!』と怒られたことが何度もあります。

はじめから『深く考えて行動』できれば、苦労はないのですが、そんなことは可能なのでしょうか?

そこで仕事を効率的に進め、ブレることなく目的とする成果を手に入れるために役立つビジネスフレームワークをご紹介します。

『セオリー通りに考えるなら、どう考えるべきか?』を自問する。

苦情対応、プロジェクトの進行、企画書の作成、ミーティングの進行etc・・・仕事を進めていく上で、自分の考えに間違いがないか不安になったり、客観的に振り返りをしたくなったら、『もしセオリー通りに考えるなら、どう考えるべきか?』と自問してください

 

自分に質問して、自分で質問に答えるプロセスを通じて、今まで煮詰まっていた考えや、重たくあなたにのしかかっていた不安感が驚くほど解消されるのを体験できるはずです。
ではなぜ、この質問がブレイクスルーを起こしてくれるのでしょうか?

それは、『もしセオリー通りに考えるなら、どう考えるべきか?』という質問を自分にすることで、煮詰まった自分の思考を一旦脇に置いて、「この場合の一般的な正解は何か?」という思考に切り替えることが出来るようになるからです。

人間である限り、主観の世界で物事を考えてしまうのは避けられません。
このビジネスフレームワークを用いることで、「主観」の世界で凝り固まっていた自分を「客観」の世界に連れ出すことができるようになるのです。

たとえば、仕事で問題が生じてクレームが発生したとします。あなたが問題解決のために指揮をとらなければならないとして、どんな指示を出すでしょうか?

感情に任せて行動してしまうと、「なぜ、こんなことになったんだ!?」、「この責任はだれがとるんだ!?」など問題発生の原因や責任の所在を追究してしまうかもしれません。

こんな時は『このクレーム発生の対応をセオリー通りに考えたら、どうするべきか?』と自問します。
すると、「まずはクレームを伝えてこられた相手の方へ謝罪し、できる限りのフォローをさせて頂く意志を示すことが大切だ」という答えが浮かんできます。
この場合だと、感情に任せて原因や責任の所在を追究しても、なんの問題解決にもならないのです。

 

プロジェクトを進めていく場面ではどうでしょうか?
医療・介護の世界は一般社会と比べて、「いかにしてプロジェクトを進行するか?」というフレームワークが浸透していません。
そのため、たいていのプロジェクトは現場の役職や発言権の強い人の意見が通って終わりになるか、何から始めていいのか分からず、グダグダ話し合いが続くといった現状があります。

この場合でも「プロジェクトをセオリー通りに進めると、どうなるか?」と自問することができれば、

「まずは、プロジェクトの目的を明確にし、メンバーで共有しなければ」
「プロジェクトのゴール(目標)は何にするのか」
「ゴールまでの期間はどれくらいをとるのか。そこに至るまでのスモールゴールはいくつ設定するか」
「プロジェクトを進行していく上で現場のキーマンは誰になりそうか?」
「新しい取り組みを始めるに当たり、現場教育はどう進めていくか」

などの項目が出てくるようになります。
これらを、メンバーで一つずつ議論していくことが出来れば、ダラダラと話し合いをするよりも効率が良く、なによりもブレることなくゴールに突き進むことが出来るようになると思います。

職場のリーダーや管理者には、その都度『正しい選択』をすることが求められます。しかし、リーダーも管理者も人間である限り、主観が入ってしまい、選択に迷いも生じます。
こんな時こそ、「セオリー通りに考えれば、どうするか?」というビジネスフレームワークが効果を発揮するのです。

セオリー通りに考え行動することで、検証が可能になる

セオリーは何かを考え、その通りに行動することには「思考を客観視できる」以外にも、「行動の結果(=成果)を検証できるようになる」というメリットもあります

例えば、「A→B→C」という手順を踏んで行動するのがセオリーだとするならば、行動も「A→B→C」の順に行います。その結果、目的通りの成果が得られれば問題ないのですが、時には望んだ成果に到達しない場合もあります。

このとき、セオリー通りに「A→B→C」と行動したことが重要な意味を持ちます。
なぜなら、「手順はちゃんと守ったのだから、A、B、Cの要因の何かがまずかったんだな。何がいけなかったのだろう?」と考えることが出来るようになるからです。

もし、「A→C→B」のように手順を変更したり、「A→B→C→D」のように手順を追加したりしていたら、そもそもセオリー通りではないため、なんの要因で成果が得られなかったのかの検証が出来なくなるのです。

私もあなたも一発でなんでも上手くいって、望み通りの成果を手に入れられるというわけにはいきません。「行動成果検証」のプロセスを何度も何度もグルグルと回して、少しずつ望む成果に近づいていかなくてはならないのです。

この考えは読書にも当てはめることができます。
例えば、「○○するための9つのステップ」という本を読んだのならば、9つのステップをすべて愚直にこなすことが求められます。

いい加減にステップを飛ばしたり、自分勝手に良いところ取りをしようとすると、思うような成果が得られなかった時に、「この本に書いてあることは効果がない」という結論に至ってしまうかもしれません。

しかし、行うべき行動をすべて行った場合なら「これで成果がでないなら、なぜなんだろう?」という思考をすることができるのです。

 

このように何かしらの判断をする場面では、「セオリー通りに考えた場合、どう考え、どんな行動をするのだろうか?」と自分に質問する時間をとってみてください。そして、抽出した選択肢を愚直にこなしながら、自分の望む成果を得られるまで「行動→成果→検証」のプロセスをどんどん繰り返してください。

『セオリー通りと言われても、肝心のセオリーを知らない!どうすればいいの?』と思う人もいるかもしれません。そんな時は、ノウハウを扱った本を読むことも有効ですし、職場の先輩や上司をよく観察し、どんなセオリーを持っているのかを盗むというのも良いでしょう。

また、当サイトは「こんな時はどう考え、どう行動すればいいのか?」という疑問に答えるビジネスフレームワークをたくさん紹介しています。当サイトでフレームワークを吸収し、あなたの業務に生かしていただければ幸いです!

 
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