マーケティングテクニックについて

買いたくなっちゃうマーケティングテクニックpart1

私の主な仕事は理学療法士としてリハビリテーションをご利用者様に提供することですが、
その仕事と並行して・・・
「従事している事業所のプロモーションや渉外活動をする企画する担当者」として
「コンテンツを販売して稼ぐ個人事業主」としても働いています。

理学療法士・プロモーション企画・コンテンツ販売は、それぞれ違った仕事ですが、
きちんと結果を残すために、それぞれの分野のインプット(=勉強)が欠かせません。

それぞれは関連性があまりない仕事だと思っていたのですが、
マーケティングについて書かれた本を読んだり、コンテンツ販売に関するセミナーで話を聞いたりを繰り返して
インプットを続けていると、気付くことがあります。

それは、どちらの分野も人の購買欲求を喚起する手法の『原理』は同じだということです。
つまり、人に『このサービスやコンテンツを買いたい』と思わせるテクニックは共通しているのです。
(よく考えれば、コンテンツ販売はマーケティング分野の一部なので共通していて当然ですが・・・)

今回は、私が勉強してきた中でマーケティング・コンテンツ販売の両者に共通して用いられている
購買意欲を高める原理・テクニックをいくつかご紹介したいと思います。

ターゲットを絞って、注意を引き付ける

テクニック1つ目は、『ターゲットを絞り、緊急性を伝える』です。

医療・介護業界に努めている私たちには馴染みはあまりありませんが、
マーケティング業界では「みなさん!!」とお客様に声をかけるのはナンセンスだという常識があります。

「みなさん!!手軽にダイエットする方法に興味ありませんか?」と聞かれたら、
誰も『自分に対して呼びかけられている』と思わないので、反応がすごく悪くなるのです。

そこで、対象を限定し『ターゲットを絞る』のです。
方法は簡単で、属性を二つ用意しその両方を満たす人にメッセージを送るのです。

例えば、『20代女性』・『デスクワークで日頃運動していない』という二つの属性を用意し、
『日頃はオフィスで座った仕事が多く、運動不足を実感している20代女性のあなたでも、簡単にできるダイエット法をお教えします!』

と呼びかけた方が、20代女性で運動不足を実感している女性は、
「あっ!それって私のことじゃん!!何?何??」と反応してくれるようになります。

公園で誰かを呼びかけるにしても、「みなさーん!」と呼びかけるより、
「お子さんを連れたお母さーん!」と呼びかけた方が、振り返ってもらえる確率は高くなるのと同じ原理です。

 

「なるほど!ターゲットを絞って呼びかけるんだね!さっそくやってみよう!!」
と思われたあなた!ここで注意していただきたいことがあります。

それは、昔は『ターゲットを絞る』だけで効果的だったのですが、
現代ではこの手法が使い古されており反応率が低くなっているのです。

そこで考え出されたのが『ターゲットを絞る』テクニックに追加して、『緊急性を告知する』というテクニックを用いる方法です。

『緊急性を告知する』とは、
「このお知らせは緊急性の高いもので、今、知っていただかないと損をしてしまいます」
とお客様に伝える事です。

例えば・・・

「日頃はオフィスで座った仕事が多く、運動不足を実感している20代女性のあなたに!
簡単にできるダイエット法をお教えします!だたし、お知らせは今回限りなので、お見逃しなく!!」

といった感じが『ターゲット絞り』&『緊急性告知』の例になります。
通販番組でもこの手法はよく採用されているので、あなたも見たことがあるかもしれませんね!

このように対象を絞り・緊急性を伝える事で、呼びかけられた人は
「それって、私のことじゃん!?しかも、緊急なの!?」と感じて、注意を向けてくれやすくなるのです。

限定販売にして、焦らせる

テクニック2つ目は、『限定販売にして、焦らせる』です。

マーケティングの世界では、『限定されて、初めて人は動く』という常識があります。

どんなにいい商品であっても、ただ売っているだけでは、人は「それが欲しい」と思いません。
「これは、限定商品なんですよ」と言われて、初めて「え!?だったら買おうかな・・・」と考えるのが人間の心理なのです。

「商品を限定発売する」とは、「お客様に購入する動機付けをする」ことだともいえます。
要は、『これは限定品なんだから「今」買わなければならない』と購入理由をこちらが用意してあげるとともに、
お客様を焦らせているわけです。

商品の限定方法には様々な手法がありますが、オーソドックスな方法は2つあります。

1、数量限定

2、期間限定

では、一つずつご紹介しましょう。

<数量限定>

数量限定は、文字通り販売個数を限定をすることです。
数量限定は「限定販売」のテクニックの中で一番、安易で安全な方法です。

『限定発売』のテクニックに共通していけることですが、
「なぜこの商品が数量限定なのか」という理由を明確にお客様に伝えなければならないということです。

なぜなら、同じ数量限定のテクニックを用いるにしても・・・
「当社が自信をもってお届けする〇〇は限定100個のみとなります。購入希望の方はお早めに資料請求をお願いします!」
とするよりも、
「大変申し訳ありません。当社が自信をもってお届けする〇〇は、職人が一つ一つ手作りで作っているため大量生産ができず、限定100個のみとなります。購入希望の方はお早めに資料請求をお願いします!」
のように『なぜ数量限定なのか』を記載した方が説得力が増すからです。

 

医療・介護業界ではサービスの空き状況の案内が、数量限定のテクニックに当たります。
サービスの空き状況が少ないほど希少価値が生まれるため、
サービスを受けようか迷っているお客様が行動を起こしやすくなります。

医療・介護の業界で出回っているサービスの空き状況のお知らせのFaxを見ていて思うのは、
「限定の理由づけ」をしていない事業者が多いなということです。

「今月のショートステイの空き状況は〇件です。」というよりも、
「今月は農繁期でサービス利用が多くなるため、ショートステイの空き状況は〇件です。」
といった方が、なんだか納得できる感じがしませんか?
しかも、前者も後者も〇件の空き状況があるのは一緒ですが、後者の方が人気がある感じがしませんか?
このように、ちょっとした言葉を付けるだけで印象が変わるのですから、
医療・介護業界においてフレームワークを知って活用することで、他との差別化を付けるのは
とても簡単だと私は感じています。

<期間限定>

期間限定は、販売期間を限定したり、キャンペーン期間を限定することを指します。

通販番組を例にとれば、
「このTV放送終了後30分以内にお電話くださった方に限り、割引サービスをします」
「暮らし応援感謝祭は1週間のみです!それ以降は通常価格での販売になります」
などが、期間限定にあたります。

期間限定は、文字通り刻一刻と購入できる時間が無くなっていくので
購入しようか迷っているお客様を焦らすことが出来き、数量限定を比較するとより強力に
お客様の購買を促せるというメリットがあります。

 

購買促進の効果が強い半面、限定している期間が過ぎると極端に、購買件数が減ります。
キャンペーンが終了してから買う人なんていないので当然かもしれません。
また、期間限定商品を再度販売することはおススメできません。
なぜなら、あなたのブランドイメージを著しく傷つけてしまうことになるからです。

お客様からすれば、
「なんだよ!さんざん期間限定って言っておいて、また売ってるじゃん!」と憤り、
あなたに対する信頼が損なわれてしまうのです。

どうしても、再販したい場合には以下の2つの戦略をとるとよいでしょう。

 
1、最初の販売をベータ版として販売する

商品自体を本製品が完成する前のベータ版であると位置づけ、お客様に伝えます。

そのうえで、
「正規品が完成するまで待てないとのユーザー様の声を受けまして、急きょ〇〇を発売させて頂くことになりました。しかし、本商品の位置づけは、あくまでベータ版であり、正規品が発売されるまでの期間限定販売とさせていただきます」
といった感じで、ベータ版として販売するのです。

そして販売期間が終了したら、しばらくして期間を開けて
『さぁ、正規品の販売を開始します』といって商品を再度販売します。

この方法だと、消費者に納得してもらえる理由が明確なので、
中身はほとんど変えることなく商品を2度販売することが可能です。

2、ご好評につき少しだけ販売個数を増しました!

これはセミナーなどで多用される手法ですが・・・販売期間終了後に、

「販売期間終了し、完売しました。本当にありがとうございました!」

とお客様に伝えてから、しばらくして、

「商品のあまりの好評ぶりと、お客様からもっと販売してほしいとの声があまりに多かったので…」
→「商品の販売個数を増やしました」
→「商品の販売期間を1週間延長します」
→「セミナーの募集人数を20名増員します!」

とお客様に伝えるのです。

もちろん販売者側からすれば、はじめから『ご好評につき販売個数増やしました!』を見越したうえで、
販売戦略を立てるのですが、お客様にその素振りは見せません。
あくまで、「お客様の期待・希望の声にお応えして、増やします」と告げることで、
商品を再販する理由を作ることが出来るのです。

お客様獲得にはお金がかかると心得る

テクニック3つ目は、『お客様獲得にはお金がかかると心得る』です。

これは、「買いたくさせちゃう」マーケティングテクニックではないですが、
マーケティング思考をする際には欠かせないフレームワークです。

具体的には、

『顧客1人の平均売上』 / 『購入客一人獲得コスト』

の計算を行います。

その結果がプラスである限り、現在行っているマーケティング手法は有効であると判断することができます。
逆にマイナスになるということは、購入顧客獲得コストがかかり過ぎているということで、
マーケティング手法が失敗していると判断できます。

この例として、わかりやすいのが高級化粧品のサンプル請求です。
化粧品会社は、「無料サンプルを差し上げます」とCMを流し、見込み客から資料・サンプル請求をしてもらいます。
そして、サンプル請求客から本製品を購入してもらうのです。

ここでは無料サンプルのコストを1000円としましょう。
CM放送の結果、見込み客からのサンプル請求が10.000人あったと仮定します。
そのうち、製品購入に至ったのが1000人だったとします。(見込み客が購入客になる転換率は10%と言えます)

この場合の化粧品会社の
『購入顧客一人獲得コスト』は・・・
(サンプル請求)10,000人×(サンプルのコスト)1,000円=10,000,000円
10,000,000円÷(購入客数)1,000人=10,000円となります。

ということは、『顧客一人の平均売上』が、10,000円以上だったとき、そのマーケティング手法が成功していると言えます。

この計算式をもとにして、企業としては

1、『顧客一人の平均売上』を10,000円以上にする

2、見込み客が購入客になる転換率を10%以上に向上させる

3、サンプルのコストを1,000円以下にする

などの計算式の変数をいじることで、『顧客1人の平均売上』 / 『購入客一人獲得コスト』が
プラスになるように企業努力を行うのです。

そして、その数値がプラスであり続ける限り、そのマーケティング手法を続けていくのです。

 

計算の早い人なら、ここで述べていることは当たり前なことに感じるかもしれませんが、
私を含め、医療や介護分野で働く人は、このようなコスト意識を普段の業務で意識することがすくないのではないでしょうか?
そもそも、医療や介護の業界では、「お客様を獲得するためにはコストがかかる」という意識が薄いのではないかと私は感じます。

一般企業では、「先に損をして、後で回収しプラスにする」という考えのもとで新規顧客の開拓を行うのが常識になっています。
この感覚は、株や不動産などの投資の考え方に近いものです。

つまり、
「いくらの投資で、いくら回収できたのか?」
『投資コスト』/『回収できた利益』が、プラスならばその投資は成功であるという考え方です。

私たち医療・介護業界に従事する人も、事業所のプロモーションを行う機会があるかもしれませんが、
みんな「お試し体験」や「見学会」程度のアイデアしか考え付きません。
それでは、プロモーション自体で他事業所との差別化を図ることができません。

そうではなくて、「始めは費用が掛かっても、後に回収すれば良い。今回のプロモーションにいくらの費用を使うことが出来るだろうか」という思考をすることが出来れば、今まで思いつかなかったプロモーションのアイデアを考え付くことが出来るようになると思います。

あなたの周りにあるマーケティング手法に気づけますか?

今回は買いたくさせちゃうマーケティングテクニックPart1ということで、

1、『ターゲットを絞り、緊急性を伝える』

2、『限定販売にして、焦らせる』

3、『お客様獲得にはお金がかかると心得る』

の3つをご紹介しました。

この3つを覚えて、あなたが身の回りを見渡した時、
「あっ!これもマーケティングテクニックだったんだ」といろんな場面で気づくことが出来るようになると思います。

そして、マーケティングテクニックを見抜くトレーニングをすることは、とっても勉強になります!

ちなみに、私のおすすめは通販番組です!
今までは、通販番組なんてまーったく興味がなかったとしても、マーケティングテクニックのフレームワークを知ったとたん、
通販番組はとっても勉強になる番組に大変身しますよ!

他ページで『買いたくさせちゃうマーケティングテクニックPart2』も紹介しています。
そこでは、『保証をつける』、『行動の明確化』、『お客様の声』について説明しています。
今回の記事と合わせてチェックして、あなたがマーケティングテクニックを身に付けるのにお役に立てたら嬉しいです!

 
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