リストマーケティングとネット技術の関係について

インターネットがリストマーケティングを加速させた理由

世の中にはリストマーケティングというマーケティング手法が存在しています。
『リストマーケティング』という言葉を今まであなたが、聞いたことがないかもしれませんが、
リストマーケティング自体は昔から存在しているものです。

リストマーケティングを簡単に説明すると、
『顧客の名前・住所・過去に購入したモノ、現在興味を持っているモノなどの個人情報(=リスト)を手に入れて、
リストが興味を持ち、購買するであろう商品のプロモーションをかける』
というマーケティング手法です。

リストマーケティングでは、個人情報から、顧客の特徴・購買意欲の高いジャンルなどを割り出した上で売り込みをかけるので、商品を紹介した時に購入してもらえる可能性が高くなるという特徴があります。

リストマーケティングの例を挙げればキリがありませんが、
例えばコンビニで使うポイントカードもリストマーケティングの一種であると言えます。

あなたがポイントカードを提示すると、
あなたの一般情報に加えて・何時に・どこで・どんなモノを・どんな商品と合わせて買ったのかなどの情報が
一括でデーターとして管理元へ送信されます。
コンビニ会社は、こうして集めた膨大なデータを分析して、
『あなたにコンビニを魅力的に感じてもらうには』、『コンビニへ来店頻度を挙げてもらうには』、『ついで買いを促進するためには』、どうすれば良いのかのマーケティング戦略を考えるのです。

そうやって構築した戦略を基に
『週末の夜、男性限定キャンペーン!コンビニスイーツを1つ買うと、コーヒー50円引き』
などの戦術を展開していくのです。
あなたにより働きかける場合には、CMだけでなく
あなたの住所にキャンペーンの告知や割引券付きのダイレクトメールが送られてくるかもしれません。

このようにリストマーケティングは身の周りにありふれた手法であるとイメージして頂けたでしょうか?
ここでは、現実の世界で展開されているリストマーケティングを紹介しましたが、
リストマーケティング自体はネットビジネスの業界でさらに発展をしてきたマーケティング手法になります。

今回は、リストマーケティングがいかにインターネットの普及とともに発展してきたのかをご紹介したいと思います。
リストマーケティングがネットビジネスでいかに活用されているかを知れば、
医療・介護業界で働くあなたにとっても、どのようにその手法を活用することが出来るかのヒントになるかもしれません。

今回は、『ネット×リストマーケティング』のメリットを中心にご紹介しますので、
紹介したメリットを自分たちの業界でも享受できるんだろうかと考えながら読んでもらえればいいと思います。

なぜリストマーケティングが発展したのか

ネット技術の進歩が、いかにリストマーケティング手法の開発に役立ったのかを見ていくために、
インターネットが普及する前のリストマーケティングの手法について説明したいと思います。
ネット普及前後で比較することで、ネット技術がリストマーケティングにもたらしたメリットを
より明確に理解できるようになるからです。

ネット普及前後での一番大きな変化。それは企業が顧客にプロモーションをかける手段です。
この変化は3段階に分かれます。

第1段階としては、業者は顧客に対して手紙・はがき等を送付することが、唯一のプロモーション手段となっていました。
私が子どもの頃は、通信教育の会社からたくさんのはがきや封筒が届いていました。
私は、封筒の中に入っている漫画を読むのが好きで、いつも楽しみにしていました。
(今でも、年頃の子どもさんのところに、通信教育の会社から教材案内は届くのでしょうか?)

次の第2段階では、通信手段の発達によりFaxが登場します。
見込み客にFaxレターを送ることで、プロモーションを行うのです。
私がこの記事を書いている現在でも、私が勤務している事業所には毎日、
研修会案内・転職者の紹介・〇〇無料説明会などのFaxレターが届きます。
他の業種での事情は分かりませんが、少なくとも介護業界においてはFaxによるプロモーションがまだ通用しているようです。
(※上記のFaxレターは、関係のありそうな事業所に無差別に送り付けてきているだけなので、厳密には、あらかじめ顧客の個人情報を得てから売り込みを行うリストマーケティングとは違うモノだと私は考えています。)

第3段階になって、ネット技術である電子メールが登場します。
インターネットの普及と、それに対応する環境の整備により、
一人ひとりがパソコンや携帯電話に各自のメールアドレスを持つ時代になりました。
インターネットとメールアドレスの利便性から、メールを活用したプロモーションは一気に広まっていきました。
これまで、はがき・Faxなど紙媒体を中心としたアナログな手法は、ネットやメールに切り替わることになり、
さらには『ネット×リストマーケティング』の手法の開発が進むことで、ネットビジネスが大きく躍進していくことになったのです

では、なぜネット業界のリストマーケティングは、ネットビジネスを一気に発展させることを可能にしたのでしょうか?
それは、今までのマーケティング手法を一新させるほどのメリットが『ネット×リストマーケティング』にはあったからです。
以下にそのメリットをご紹介しましょう。

メリット1:コストがかからない

今まで、ダイレクトメール・Faxを送ることの一番の問題はコストがかかりすぎる事でした。
コストには、ハガキ代・切手代・印刷代・通信費が含まれます。
また、ダイレクトメールを用意し、配送を手配するための人件費や時間などもコストに含まれます。

そして、コストをかけてダイレクトメールを送ったら、必ず売上で上記に挙げたコスト以上の金額を回収しなければなりません。それが出来なければ、会社は倒産してしまいます。

またダイレクトメールの反応率が0.1〜0.5%が平均だとすると(一般には1%以下とされているようですが、
私はこんなに反応率は高くないと感じています。)、最初の段階でダイレクトメールを大量に送ることが必要になるので、
そもそも初期投資として資金に余裕がない会社はダイレクトメールすら送ることが出来ない事態になります。

これらの問題をメールは解決してくれます。
ハガキ代・切手代・印刷代・配送準備の費用・手間などは必要ありません。
また、文面を一度作成すれば、何度でも使いまわしが可能です。
メールによるコストは、通信費のみなので、
そもそも資金力が弱くプロモーションを行うことが出来なかった会社でも顧客にアプローチすることが可能になりました。

メリット2:時間の概念がない

メール・ネットによる顧客へのプロモーションには『時間』という概念がありません。
Faxならビジネスマナーとして、個人宅に夜の時間にFaxすることが失礼になったり、
何枚もFaxを送ると相手のFax用紙を浪費するため、礼儀のない人だと思われかねません。

また、ダイレクトメールを送ると、発送してから相手の元へ届くまでに数日かかります。
そこから、相手の反応を待っていては、プロモーションを行う回数が自ずと限られてしまいます。
プロモーションを行う機会が減少することは、売り上げをあげる機会が減少することであり、
企業にとっては死活問題となっていました。

冒頭でも述べましたが、メール・ネットによる顧客へのプロモーションには『時間』という概念がありません。
『営業時間』という概念もありません。365日、24時間好きな時にプロモーションを送ることが出来き、
地球上のどこにいても一瞬でメールは相手のものに届けることができるのです。

また、ダイレクトメールは運送業者によって届けられていたため、
相手に届けるまでの時間を自分ではコントロールできませんが、メールならば自分でコントロールすることが可能です。

このように『時間』という概念を取り払うだけでなく、
自分でコントロールできるモノにすることを可能にしたのがネット・メールという技術なのです。

メリット3:自動化が可能

ネット・メール技術がもたらした最大のメリットの一つが「自動化」です。
『お客様のリストを獲得する→商品に興味を持ってもらう→販売促進』のステップを
ネット上で自動で行うシステムを構築することができたならば、
あとは何もしなくてもシステムがお金を勝手に稼いでくれる状態を作り出すことが出来ます。


 

もちろん、どのような仕組み化を行うかを考えること自体が難しく、一番労力を必要とするのですが、
自動化システムが完成した後は、それがあなたの資産になってくれる点は、
費やす労力を超える魅力的なメリットだと言えます。

ネット業界では、これらの自動化のシステムを作るための有料サービスやテンプレートが数多く用意されています。
このようにシステムの自動化が安易に行えるようにあったことで、
企業だけでなく個人でもネットビジネスに参入される方が多くなり、ネットビジネスの発展が加速していくことになったのです。

たとえば、メルマガにはその都度メルマガを発行するタイプだけでなく、
メルマガ登録後『1通目はこれ』、『2通目はこれ』といった感じで送る内容をあらかじめ決めておいて、
指定した日数と間隔でメルマガを送ることが出来るステップメールという仕組みがあります。

このステップメールを利用すれば、メルマガ登録後

1〜3日目で商品の魅力を伝える(顧客の教育)、

4〜6日目で商品のスペック紹介・使用者の声紹介(商品紹介)、

7日目に販売開始、

10日目に販売終了と最後の販売促進(最終セール)

などのようにきめ細かく、どんなメールを送るかの仕組みづくりをすることが簡単にできます。
商品の販売ページを用意して、メルマガ内に張り付けておけば、
あなたが遊んでいてもシステムがあなたに代わって稼いでくれることになるのです。

なぜネット業界のリストマーケティングは終焉を迎えたのか

このように、『コスト削減』・『時間の概念を変える』・『自動化が可能』などのネット技術のメリットを
リストマーケティングが取り入れることで、リストマーケティングはどんどん発展し、
それに伴いネットビジネスも発展してきました。
パソコンとネット環境さえあれば個人レベルでも、ネットビジネスに参入することが可能になったことで、
ネットビジネスで莫大な資産を築く人も数多く現れたのです。

ここまでの話を聞くと、「じゃあ、私もネットビジネス始めた方が良いってこと!?」とあなたは思われるかもしれませんが、
現在、ネットにおけるリストマーケティングのブームは過ぎ去ってしまっているので注意が必要です。

これは、今までは、ネット技術とリストマーケティングはお互いに相乗効果を及ぼしながら進歩してきたのですが、
近年ではネット技術の進歩にリストマーケテイング手法の開発が付いていけていない状況に
なっているという背景が関係しています。

以下に、ネット業界のリストマーケテイングを衰退させる原因となったネット技術の進歩・変化をいくつかご紹介しましょう。

無料メールの登場

ネット業界におけるリストマーケティングの前提条件として、
『お客様が大切にしているメールアドレス』を手に入れて、そこにプロモーションのメールを送るからこそ見てもらえ、
反応してもらえるというものがあります。

その前提条件は、無料メールサービスの登場であっけなく崩れ去ってしまったのです。
あなたにも経験があるかもしれませんが、大事なメールアドレスは友人・知人などにしか教えず、
その他の用途には無料メールアドレスを使うパターンの人が増えてきました。

中には、メールアドレスに迷惑メールがたくさん来るようになると、「このアドレスは汚れたな。捨てよう」と
そのアドレス自体を使用しなくなる人も多くいます。(そして、次の無料メールアドレスを発行する)

このように無料メールアドレスは、利用者にとって素晴らしいものですが、
リストマーケティングにとっては『メールアドレスの価値の希薄化』をもたらす結果となりました。
そのため、以前と比較するとプロモーションのメールがお客様のもとに届きにくくなり、
思うように売り上げをあげられなくなるケースが続出したのです。

 

SNSメッセンジャー・無料通話アプリの台頭

ネット業界のリストマーケティングに終焉を告げたのが、
FacebookなどのSNSメッセンジャーやLINEをはじめとする無料通話アプリの台頭です。

これらのアプリには『アドレス』という概念がそもそもありません。
アドレスの代わりにスマホやPCなどのデバイス同士が直接繋がっている感覚です

これらのアプリを使って、業者がお客様にリストマーケティングするためには、
今までは『名前』と『メールアドレス』だけで良かった個人情報に加え得て、『携帯電話番号』も必要になってきます。

無料メールアドレスの普及でメールアドレスを登録することへの心理的な障壁は低くなりましたが、
あなたも自分の携帯電話の番号を登録することに抵抗感を覚えるのではないでしょうか?
そのため、企業がお客様のリストを手に入れにくく、アプローチすることが困難になってきたのです。

ちなみにLINE上でお客様候補へプロモーションをするには、企業がLINEにお金を支払い広告を出すかコミュニティを作って
そこの参加者にプロモーションをかけることになります。
いずれにせよ、今まで自由にリストマーケティングが出来ていた時代と比べると、
企業はLINEが創ったルールの中で活動せざる負えなくなり、リストマーケティングは急速に衰退していくことになりました。

 

では医療・介護業界ではどうなのか?

このように、ネット業界におけるリストマーケティングは、ネット技術の進歩に伴い、発展と衰退の道のりをたどってきました。

では、医療・介護業界ではどうでしょうか?
この分野で手に入れるメールアドレスには『価値の希薄化』が起こっているでしょうか?
他事業所とのやり取りはSNSやLINEなどのアプリが中心となっているでしょうか?
やはり、医療・介護業界でもリストマーケティングは衰退しているでしょうか?

私はそうは思いません。

そもそも、この業界ではリストマーケティングの手法が積極的に取り入れられている形跡すらありません。
ということは、リストマーケティングの考え・手法を導入すれば、
医療・介護業界で大躍進することが可能であると私は考えます。

今回ご紹介したネット技術の進歩が生み出したメリットを享受する機会が、私たちが働く業界にはまだ残されているのです

これを絶好のチャンスだと捉えて行動に移すのか、
リストマーケティングを単なる知識として吸収するだけなのかは、あなた次第です。

もし、私の考えに共感していただけて、もっとリストマーケティングについて学んでみたいと思われたら、
他のページのリストマーケティングの記事も読んで見てくださいね!

今回は、『ネット×リストマーケティング』のメリットを中心にご紹介しましたが、他ページでは
実際の『ネット×リストマーケティング』の手法についても紹介していますので、
そのページも参考にしていただき、
『どうやってリストマーケティングのフレームワークを自分の業界に活かそうかな』と考えながら、
アイデアを出していくと良いと思います!

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