お客様の心を狙い撃ちするニュースレターの作り方

私がビジネス書を読んでフレームワークを勉強する前の話ですが、
当時勤務していた施設の管理者を集めて、施設のプロモーションやマーケティング戦略を話し合う会議が開催されました。
まだまだ、管理者として駆け出しだった私も、会議に参加させて頂きました。
数回行われた戦略会議の終盤で、私は、会議の議長を務めていた他部署の課長から
「山田君にはマーケティング戦略を理解した上で、他事業所に配布するニュースレター(チラシ)を作成して欲しい」
と依頼されました。
会議終了後、私は、自分の魂と様々な工夫を組み込んだニュースレターを作成しました。
自分で言うのもなんですが、
『おお!すごく見やすくて、面白いレターが作れたぞ!』と自画自賛していました。
そして急いで、最終決定権のある施設長にニュースレターを見せに行きました。
『たぶん一発OKもらえるかもしれないなぁ』なんて淡い期待を抱きながら。
施設長は私のニュースレターをじーっと眺めた後、
「ここの〇〇っていう表現は△△が良いな」
「ここの写真はやめて、きれいな施設がアピールできる写真を使ってくれ」
といった具合に何点かフィードバックをしてくださいました。
私なりに理由をもって文言を考え、写真を選んでいたのですが、なんせ相手は上司(施設長)なので文句はいえません。
言いたい言葉をぐっと飲みこんで、頂いたフィードバックをもとにニュースレターを作り直しました。
その後、『施設長に提出→フィードバックを頂く→修正に取り掛かる』のサイクルを何度か経験し、
やっとの思いでGOサインを施設長から頂くことが出来ましたが、
出来上がったレターは元の原型をとどめておらず、完全に施設長好みのレターになっていました。
『それなら、はじめから施設長が作ればいいじゃないか!(怒)』
と心の中でちょっと思いました。(ちょっとね)
私を指導して下さった施設長がどこまでニュースレターのつくり方を研究されていたかはわかりませんが、
指導者側に知識(フレームワーク)がない状態でフィードバックを行ってしまうと、
それは単に『指導者好み』のニュースレターを作らせていることになります。
(おそらく、ニュースレターのつくり方なんて研究している医療・介護従事者なんていないのが現状だと思います。
そのため、現場でニュースレターのつくり方を指導できる人なんていないのが実情なのではないでしょうか)
大切なのは、出来上がったニュースレターがお客様の心に響く事です。
現場で権限を持つ管理者が、どんなに「これは良い」と思えるレターを作ったって、
お客様の心に響かなければ意味がありません。
私はこの一件以来、ニュースレターのつくり方のフレームワークを学ぼうと決意しました。
フレームワークを勉強すると・・・
「自分の考えの方が正しかったんだな!」とか
「案外、施設長も案外、的外れなことは言ってなかったんだな」など
様々なことに気付けるようになりました。
それと同時に、ニュースレター作りのフレームワークを知らずに、
『どうすれば良いニュースレターになるのか』を私と施設長で議論していた事自体が、
愚かだったなぁと痛感しました。
そこで今回は、ニュースレターのつくり方に関するフレームワークをご紹介します。
ニュースレターを作ったことがある人はもちろん、まだ作ったことがない人も
このフレームワークを学べば、他事業所から配布されてくるニュースレターを
違った視点で眺めることが出来るようになると思います!
ぜひ、身に付けて下さいね!
お客様の心を狙い撃ちする前に・・・
では、さっそくニュースレターづくりに取り掛かろう!なんて考えてはいけません。
レターづくりには、下準備や事前調査が必要なのです。
では、どんなことをすれば良いのかといえば、
自分たちの事業所のポジショニングを確認しておくことです。
ポジショニングを明確にするための具体的な質問は以下の通りです。
1、事業所のサービスの特徴、他事業所の特徴 2、どんなお客様が自事業所のサービスを欲しがるか 3、お客様が、「この事業所からサービスを受けたい」と言ってくれる理由は? 4、お客様の持つニーズは?(不安・不満・悩み・課題・快楽・優越感は何か?) 5、自事業所がお客様のニーズを解決できる根拠は?どんな根拠なら提示することができるのか? |
これらの質問に答えながら、
「自分たちの事業所のウリ何なのか?」、
「自分たちのお客様はどんな人で、どんな問題を抱えているのか?」、
「お客様が他事業所でなく、自分たちを選ぶ理由は何か?」
を真剣に考えて明確にしていくことで、レター作りの際にどんな言葉を選べば
相手の心に届く表現になるのかが分かるようになります。
また、「敵を知り己を知る」ことで、お客様に力を込めて訴えかけるべきセールスポイントは何かも分かるようになります。
お客様の心を狙い撃ちするニュースレターの構成
お客様の心に響くニュースレターの基本は構成は以下の5つの流れになります。
1、問題の明確化 2、五感を使って問題を体感する 3、解決策の提案 4、『あなた』が解決策を手に入れられるのは『今』しかない 5、これを読んでくださっている『あなた』へ行動を呼びかける |
よくよく観察してみると、宣伝として送られてくるFaxや自宅に送られてくるダイレクトメールなどは、
1〜5の順番が入れ替わっていることはあっても、この要素を組み合わせて作られていることが分かります。
それでは、それぞれの要素を詳しく見ていきましょう。
<問題の明確化>
ニュースレターでお客様の心を「ぐっ」と鷲掴みしたければ、
この『問題の明確化』が何より大だと言えます。
基本的に、お客様が商品やサービスを購入するのは「今すぐなくても困らないもの」です。
なぜなら、「今すぐ必要なもの」はすでに手に入れている可能性が高いからです。
ニュースレターの大きな役割は、
『今すぐ必要だとは思ってなかったけど、やっぱりこの商品欲しいかも!』とお客様の心を動かすことにあります。
そして、お客様の心を動かすための切り込み隊長の役割を果たすのが『問題の明確化』なのです。

問題の明確化の文章の例を挙げると、
『洗濯機の洗濯槽まで掃除していますか?洗濯槽が汚れたまま洗濯すると、大切な洋服がばい菌まみれになりますよ!』 『まだ使えるからと古いエアコンを使い続けていませんか?古いエアコンは最新エアコンと比較すると4倍も電気代がかかっていることをご存知ですか?』 |
のような文章になります。こういった文章をあなたも見たこと、聞いたことがあるかもしれません。
人は、自分では普段意識していなかった問題を提示されると
『あら、言われてみれば、本当にその通りだわ。』とか
『見ないふりしていようと思っていたけど・・・やっぱりそれって問題だよね』などのように
心が揺さぶられてしまいます。
このように、お客様の心を揺さぶりることができ、
お客様がレターに対して興味を持って下されば、この『問題の明確化』のステップは成功と言えます。
<五感を使って問題を体感する>
『問題の明確化』でお客様の心を掴むことが出来き、レターに関心を持ってもらえたら
次はお客様をレターにくぎ付けにさせるステップです。
お客様をレターにくぎ付けにする手法として、
『五感を使って問題をお客様に疑似体験』してもらいます。
具体的には、明確にした問題がお客様にどんな不利益を及ぼすのかを、五感を使って表現し、
できるだけリアルに頭の中で体感してもらうのです。
先程の洗濯機の例の続きを記載するとすれば・・・
『ばい菌が付着した衣類は特有の臭い(嗅覚)がついてしまいます。また、生地が傷んでしまうことで、シミができやすく(視覚)、ゴワゴワした肌触り(触覚)になって肌を傷つける事にも繋がるんです!実際に、ばい菌の付着した衣類を着したお子様の93.5%が「服がチクチク(触覚)するので嫌だ」と答えている(聴覚)データもあるのです』 |
といった感じになります。
このように五感(視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚)を用いた表現を文章中に盛り込んで、
お客様が問題が引き起こす不利益を頭の中で体験できるようにしましょう。
こうすることで、お客様は問題が引き起こす不利益をより身近に感じ、問題自体をリアルに感じる事になります。
ここまで来れば、お客様はレターにくぎ付けになります。

そして、お客様はこう思うのです。
『問題があること、その問題がヤバいってこともわかった!でも、どうすれば良いのよ!?』と。
お客様をこの精神状態にすることができれば、「五感を使って問題を体感」のステップはゴール達成です。
さっそく、次のステップに進みましょう!
<解決策の提案>
お客様は問題点とそれがもたらす不利益をリアルに感じたら、
「じゃあ、いったいどうやったらそれを解決できるの」と疑問に思います。
そこですかさずに、
「〇〇という問題が、あなたに不利益を及ぼすのですが、私達はその問題解決をすることができます!お任せください!」
と言って、あなたが提案できる問題解決策をお客様に提示するのです。
もちろん、あなたが問題解決策を示したとたんにお客様が、
「それ良いじゃない!!買うわ!買わせてちょうだい!」とは言ってくれません。
そこで、あなたのサービスがなぜ問題を解決してくれるのかという根拠を示したり、
お客様の声を紹介したり、
推薦者の話を記載したり、
他事業所と比較しなぜあなたが優れていると言えるのかを示したりして、
お客様に「あなたのサービスに興味がある」と言ってもらえるように様々な工夫をする必要があります。
このステップの具体例を挙げれば(洗濯機の例の続きを書きます)、
『ばい菌だらけの洗濯槽をきれいにする方法があります!それは、当社の〇〇という製品をお使いいただく事です(解決策の提示)。当社の〇〇は業界トップレベルの除菌レベルを誇っており、研究の結果、除菌だけでなく目に見えないイオンレベルの汚れも落とすことが証明されています(あなたの解決策が優れている理由)。 お客様の中には、「洗濯槽洗剤ならもう使っているよ!」という方も多いかもしれません。でも、洗濯槽洗剤の大半が外国製である事実を知っていますか?外国製の洗濯槽洗剤を国産の洗濯機に使用すると故障の原因にすらなると言われています。当社の〇〇は国内メーカーでは初となる国産にこだわった洗濯槽洗剤です(競合より優れている理由)。女優の△△様も5年前からずっと愛用して頂いており・・・(推薦者の紹介)』 |
といった感じになります。
※この文章は例文であり、洗濯槽洗剤の実際について述べたものではないのでご了承ください。
このようにお客様に、あなたの商品に対して興味を持ってもらえたら、このステップは成功です。
次のステップでお客様にさらなるアプローチを行います。
<『あなた』が解決策を手に入れられるのは『今』しかない>
あなたの商品・サービスにお客様が興味を持ってくれたら、次はお客様に
『ここまで言っておいて・・・大変申し訳ありません。実はお客様に販売できるのは「今」だけなんです。』
と商品・サービスの販売が限定である事実を告げます。
この事実を突きつけることによって、
「チャンスは今しかない。今、行動しないと手に入らない」と
お客様にメッセージを送り、お客様を焦らすのです!
また、あなたの商品・サービスが限定発売であることにより、プレミア感を出すことが出来ますし、
「今しか買えないんだったら、買おうかしら」とお客様の背中を押してあげる事もできるなど、さまざまな効果が期待できます。
また、限定発売の事実を告げるなら、「なぜ限定発売なのか」の理由もきちんと説明する事で、
限定発売の信ぴょう性が高くなり、よりお客様の行動欲求を刺激することができます。
このステップの具体例を洗濯槽洗剤の例で記載すれば、
『ここまで読んで頂き、ありがとうございました。実は、私たちは〇〇の生産個数を年間で3000個までとさせて頂いております(個数の限定)。なぜなら、〇〇の原料である国産の△△自体が希少価値の高いモノであり、その中でも私たちは品質の高い△△だけを選定して使用している為、大量生産をすることが出来ないからです(個数限定の理由)。また、当製品〇〇の年間生産個数3000個のうち、2000個までは定期購買のお客様用となるため、新規のお客様は1000個限定での販売となります(さらに個数を限定)。また在庫がなくなり次第販売終了となります(販売期間限定の理由)。毎年、2週間ほどで売り切れになりますので(販売期間の限定)・・・』 |
といった感じになります。

このステップまでお客様を引き込むことが出来たならば、
お客様は「そこまで言われるなら、買おうかしら・・・・」とかなり心が揺れているはずです。
次のステップでお客様に最後のひと押しをしましょう!
<これを読んでくださっている『あなた』へ行動を呼びかける>
最後のステップは「お客様に行動を起こすことを呼びかける」ことです。
ここまでのステップを積み重ねたら、お客様の心はグラグラと揺れているはずです。
そこまでお客様に来てもらうことが出来たのに、「買いたいと思ったら、お問合せしてくださいね!」だけで終わってしまっては、もったいないです。
お客様は「か、買おうかしら・・・」と思っておられるのですから、
「買いたいのなら、そのための最初の一歩はこれですよ!」
「最初の一歩を踏み出されたのなら、次の一歩はこれですよ!」
と具体的に教えてあげなければなりません。
具体的には、
「まずは資料請求をしてみてください!連絡先は0120-〇〇〇-△△△まで」 「手に取って試していただきたいのでサンプルをご用意しています。以下の登録フォームに |
と言った感じです。
お客様に「どんな行動を起こせばいいのか」を明確に示すことで、
お客様は行動を起こしやすくなります。
どうすれば、お客様が行動を起こしやすくなるのかあなたなりの工夫を考えましょう!
書けば書くほど上手くなるのがライティング!
今回は、ニュースレターの書き方に関するフレームワークをご紹介しました。
ニュースレターを書く時だけでなく、人を引き付ける話をしたいと思ったときも
活用できるフレームワークだと思います。
「自分にもできるかなぁ・・・?」と難しく考えず
1、問題の明確化 2、五感を使って問題を体感する 3、解決策の提案 4、『あなた』が解決策を手に入れられるのは『今』しかない 5、これを読んでくださっている『あなた』へ行動を呼びかける |
の5つのステップに従って、あなたもレターを作ってみてください!
なにも考えず自分の経験や感性で創ったレターよりも、お客様の心に届く文章になるはずです!
文章を書くことは、経験を積めば積むほどに上手になります!
私も修行途中なので、あなたと一緒に上達していければ嬉しく思います!
当サイトでは、このページ以外にもコピーライティングに関するページも用意しています。
もしあなたが、ライティングに興味があるのなら、そちらのページも見ていただけたら嬉しいです!
