イノベーター理論と個人事業主の戦略

『みんなに注目されたい!!』本当に良いの?個人事業主のためのイノベーター理論

 

個人事業主として活動を始めると、世間から自分に寄せられる注目度があまりにも低すぎて、心が折れそうになります。

自分は必死に活動していても、『誰も自分の存在すら気づいてくれないなんて・・・』そう考えて、
眠れない夜を過ごしたのは、私自身、1度や2度ではありません!

この時期には、SNSやリアルの場で自分自身の露出を増やし、
世間の認知度を高めていく努力の積み重ねが大切なのですが、
『焦っちゃダメ!焦っちゃダメ!でも、早く注目されたい!みんなの中で一大ムーブメントになりたい!』
と心は前のめりになってしまいます。

この心理状態だと、自分が『世に出て注目される』場面にスポットライトが当たっています。
スポットライトで照らし出した心のイメージ目がけて『おりゃーー!』と努力する感覚です。

でも、この心理状態は、あなたの個人事業主のとしての『戦略』という観点で見た場合に、非常に危険なものなのです。
なぜなら、『みんなに注目され、世に出た後にどうやって生き残っていくか』という視点が欠落しているからです。

本当の意味で優秀な経営者・芸能人などはこの

『世に出た後にどのように生き残っていくか』という視点を必ず持ち合わせています。

持ち合わせていない人は、世の注目を浴びた10年後くらいに『あの人は今』に出演することになります。

あなたがこうした『一発屋』にならないために、その前提として知っておくべきフレームワークがあります。
今回は、それをご紹介していきたいと思います!

このフレームワークを知った後に、はじめて『じゃあ、自分はどんな形で成功していこうか』と考え始めることができるので、
ぜひ習得してくださいね!

これがイノベーター理論だ!

『一発屋にならないために』知っておくべきフレームワーク。それはイノベーター理論です。

イノベーター理論とは、簡単に言うと『ブームがどのように進み、人々に浸透していくのか』を説明した理論です。

イノベーター理論は、『普及率』と『時間(の進行)』の2つを軸にとる座標で説明することができます。
言葉で説明するのも難しいので、下の図を見てください!

 

この図は、時間の浸透とともに、商品・サービスの普及率が『どんな人たちに広がっていくか』を説明しています。
別の言い方をすれば、
『時間の経過とともに、どんな人たちの層が商品・サービスに反応を示すか』を示した図であるとも言えます。

イノベーター理論では、ブームに関わる人を『商品・サービス購入の早い人』順で5つのグループに分けています。
それぞれ、「イノベーター」、「アーリーアダプター」、「アーリーマジョリティ」、「レイトマジョリティ」、「ラガード」の5つのタイプです。

では、以下にこの5つのタイプの人たちの特徴についてご紹介しましょう!

イノベーター

『イノベーター』とは、革新者で新しいものを積極的に取り入れるタイプの人です。
深夜から泊まり込みで行列を作って、新商品や最先端モデルを手に入れる人たちです!
寝ずに並んで新商品をゲットした喜びをテレビのインタビューで『嬉しいです!』と言っている人が『イノベーター』です。

テレビで注目されるくらいならマシですが、
世間でほとんど認知されていない商品やサービスを率先して使っている人たちでもあります。

イノベーターは全体の中の2.5%を占めるとされています。

彼らが『次は〇〇が流行るよ!』と言っても、みんな「はっ?(ポカーン)」って感じになります。
彼らの持っている情報が最先端過ぎて、素人からすると『なんのこっちゃ』状態になってしまうのです。

 

アーリーアダプター

『アーリーアダプター』とは、流行に敏感で自分で率先して情報を仕入れてくるタイプの人たちです。

あなたの友人で流行に敏感で『次は〇〇が流行るよ!』と教えてくれる人がいたら、その人がアーリーアダプターです。

『アーリーアダプター』は全体の13.5%を占めるとされています。

彼らが『次は〇〇が流行るよ!』といえば、
10人中2〜3人は『あー!それ知ってる!流行るんだよね!』と反応する感じです。
もしかしたら、その話題はテレビで取り上げられ始めているかも知れません。

 

アーリーマジョリティ

『アーリーマジョリティ』とは、流行が認知され始めると、自分も手を出す人たちです。

心理状態としては、『おお!なんか流行ってるみたい!自分も買ってみよう!』的な感覚です。

あなたが流行や最先端技術に関して、敏感でもなく無関心でもないなら、
アーリーマジョリティに属していると言えるでしょう!

『アーリーマジョリティ』は全体の34%を占めています。

彼らが『次は〇〇が流行るよ!』といえば、
『はっ!?何言ってんの、もう流行ってるよ!』とツッコミを入れられてしまいます。
その話題は、テレビでも何度も特集されていることでしょう。

 

レイトマジョリティ

『レイトマジョリティ』とは、新しいものに乗りきじゃない人たちです。

彼らが商品・サービスに手を出すのは『周りがみんなやってるし、仕方ない。私も買っとくか。』的な感覚からです。

『レイトマジョリティ』は全体の34%を占めるとされています。

この層まで商品・サービスが浸透すると、全体の84%まで認知が広がっていると言え、
それは、もはや『ブーム』というより『常識』になりつつあります。

この時期に、その商品やサービスの話題をしても、
『えっ!?まだその話題するの?もう古いじゃん!』という反応が返ってくるでしょう。

ラガード

最後に『ラガード』とは、ブームに無関心な人たちです。

彼らが商品・サービスに手を出すのは、『流行っているから』という理由からではなく、
『それを買うのが、もはや世の中の常識だから』という理由からです。
彼らの中の頑固な人は、たとえ一般常識になっても手を出さなかったりします。

そんな『ラガード』は、全体の16%を占めています。
私もはじめは、ラガードってそんなに多いか?と思いましたが、
自分の周りであくまでガラケーを話さずスマホを怖がっている人は、確かにこれくらいの割合なので、
そこそこ妥当な数字なのかなと今では思っています。

 

ブームの壁について

ここまで、ブームに手を出す順に人を5つのグループに分類する『イノベーター理論』について説明してきました。
5つのグループについてのイメージは掴んで頂けたでしょうか?

さて、このイノベーター理論をもとにすると、『ブームの始まり』はどこからだと言えるのでしょうか?

一般的には、イノベーター(2.5%)とアーリーアダプター(13.5%)に浸透して、
商品やサービスを認知する人が16%以上の人に浸透すれば、『ブームが始まった!』と考えてよいとされています。

つまり、商品やサービスの一大ムーブメントを引き起こそうと考えるなら、
この16%をいかに超えるかを考え、戦略を立てていかなければなりません。
そのため、この『16%』をマーケティングでは『16%の壁』と表現することもあるほどなのです!

では、この『16%の壁』を超える事について、『企業の立場から』と『個人事業主』の立場から考えてみたいと思います。

企業の立場から

企業が自社の商品・サービスをどんどん広め得たいと考えるならば、
マーケティングに力を入れるべきは、『アーリーマジョリティ』までの道のりです。

つまり、基本のセオリー通り16%の壁を越えることです。

16%の壁を1mmでも超えて、認知の普及率が『アーリーマジョリティ』にまで広がれば、
アーリーマジョリティは、『おお!なんか流行ってるみたい!自分も買ってみよう!』的な人なので、
彼らに認知された後は、スイスイーっと流れるようにブームとして世間に広がっていきます。

そのため、企業が取るべき戦略は、おのずと、イノベーター&アーリーアダプターの認知度の普及を図り、
出来るだけ早くアーリーマジョリティに商品・サービスに気づいてもらうことになります。

最も手っ取り早いのがマスメディアへの露出を増やすことですが、
初期の段階の投資としては、『お金』と『手間』かかります。

なにしろ、世間が全く知らない状態でマスメディアに取り上げられても、みんなの興味・関心を集めにくいとも言えます。

そのため、イノベーターやアーリーアダプターにリーチができる
専門誌や特定のサイトなどに特化して広告を出すなどの戦略をとるのが良いとされています。

このような戦略を積み重ね16%の壁を越えることができたら、
その時こそ先行投資の意味も兼ねて、マスメディアへの露出を増やしていくと良いでしょう!

個人事業主の立場から

このように企業の立場から考えれば、認知度の普及率に合わせて、その都度戦略を変えていけば良いとこが変わります。

個人事業主としての成功をあなたが目指すのならば、
『じゃあ、私も企業のマネをしよう!』と考えるのは、危険です!

なぜなら、企業と個人事業主とでは、16%の壁に対する考え方を変えなければならないからです!

企業にとって、16%の壁とは『越えるべき』ものだと前述しました。
しかし、これは個人事業主には当てはまりません。

個人事業主における16%の壁とは
『ギリギリ乗り越えない』ものなのです!
さらに言えば、『乗り越えないように注意するべき』ものだと言えます。

本来なら乗り越えるために戦略を立てていく16%の壁を、なぜ個人事業主は乗り越えないようにするのでしょうか?

それは、16%の壁をあなたが超えた瞬間、あなたが『ブーム(流行)』であると世間から認知されてしまうからです。

『えっ!世間から注目されるのは良いことじゃないの?』とあなたは思うかもしれません。
たしかに、世間から注目を浴び『ブーム』になった瞬間は良いかもしれません。

しかし、あなたの認知度がレイトマジョリティまで浸透してくると、
世間は手のひらを返したような反応をあなたに返すことになります!

つまり・・・

『あ〜〇〇(あなた)って、△△の人でしょ。知ってる知ってる。』

『って言うか、もう飽きたよ。』

という反応です。

世間があなたのことをこのように認知した段階で、あなたは『一発屋』という烙印を押されてしまうのです。
これって、めっちゃ怖いことですよね!(汗)

だからこそ、世間から飽きられないように、あなたという人間の鮮度をいつまでも保てるように、
ブームになってはいけないのです。つまり、16%の壁を越えてはいけないのです!

16%の壁を超えない技術はどこで学べるか?

これを分かった上で、優れた個人事業主や芸能人は、
少ずつ手を変え品を変え、見せ方を変えて『一大ブーム』を作らないようにしながら、
それぞれの業界で生き残っているのです。

私はビジネス書を読むのが好きなのですが、1年に何冊もビジネス書を出す作家の方は、
この手法を使って、少ずつテーマや切り口を変えながら、執筆をされているなぁと気付きます。
私は、『優れた作家さんだから、1年に何冊も本が書けるんだろう』と思っていましたが、
イノベーター理論に基づいて考察すると、あえて得意分野に固執してブームを作らないように
戦略的に執筆されているということが見えてきます。

その他にも、この16%の壁を乗り越えないように生き残っていく術は、芸能人を見ていると勉強になります。

テレビの第一線で活躍されている芸能人を例にとれば、

『コント職人→コメンテーター→グルメレポーター』

『漫才師→筋肉タレント→スポーツタレント』

『漫才師→小説家→映画監督→筋肉タレント』

のように様々な要素を掛け算しながら、
時代時代で自分の見せ方を変えてテレビへの露出を続けている方を多く見つけることが出来ると思います!

 

確かに、彼らは強烈に時代に名を遺すほどのインパクトはないかもしれませんが、
競争の激しい芸能界で長い間活躍しているという時点で『勝ち組』であると言えます。
野球でいえば、野球史に残るようなホームランは打たないが、
コツコツとヒットを重ねることで毎試合レギュラーを獲得している感覚です。 

 

逆に、それこそお年寄りから子供まで知っているような一発ギャグで有名になった人は、
その後活躍できていないパターンが多く、『勝ち組』であるとは言い切れません。

あなたも個人事業主として『勝ち続ける』ことを望むなら、
長くテレビに出続けている芸能人のように、戦略を立てていく必要があるのです!

大切なのは、『どこまで』注目を集めるか

今回は、人生の『一発屋にならないために知っておきたいフレームワークである、イノベーター理論をご紹介しました。』

イノベーター理論を復習すると、

1、ブームに関わる人は、購入の早い順に5つのグループに分けられる。

2、イノベーターとアーリーアダプターを足した16%がブームが起こるかどうかの壁

3、16%の壁を超えることが出来たら、あとは自然と認知が広がっていく(流行になる)

4、個人事業主は、16%の壁を越えてはならない。超えたら最後、世間から飽きられる。

5、内容や見せ方、切り口を変えてコンテンツを提供し、つねに鮮度を保つことで16%の壁をこえないように工夫する。

6、芸能人をみて16%の壁を超えない戦略を勉強する!

となります。ここまでの理解はOKでしょうか?

本ページの冒頭で、『世に出て注目される』場面にスポットライトが当たっている心理状態は危ない!と書きましたが、
その理由が分かって頂けたでしょうか?

『世に出て注目される』ことは大切だし、そもそも難しいことです。
しかし、盲目的に『世間に注目されるぞー!』とがむしゃらに突っ走った結果、
一発屋になってしまっては、せっかくの努力も本末転倒だと思います。
私たちの使命は、『人生における成功を手に入れる』ことであって、『世の中に爪痕を残すこと』ではないからです!

当サイトの別ページにて、
『どうやって16%の壁を超えないようにしてコンテンツを提供していくか』に関するフレームワークをご紹介しています。
ぜひ、そちらのページも参考にして頂きながら、あなたが個人事業主として成功していく戦略を作り上げていってくださいね!

 
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