脳科学においては否定形は存在しない

脳は否定形を理解できない


私は若い頃、かなりの遅刻常習者でした・・・。

朝起きて時計を見ると、就業時間をとっくに過ぎていている!
『お願い!!夢から覚めたけど、こっちの現実の方が夢であってくれ!!』
と絶望したことは数知れません。

もちろん、直属の上司だけでなく、勤務していた施設長からも大目玉を食らいます。

『なんで、遅刻したんだ!!もう二度と遅刻はするんじゃないぞ!!』
施設長の鬼のような形相が今でも忘れられません。

私は毎晩寝る前に、「明日は遅刻しない!明日は遅刻しない!」と念じて眠りについていました。
そして数日間はギリギリセーフで職場に駆け込む日々を過ごしたあと・・・

『お願い!!夢から覚めたけど、こっちの現実の方が夢であってくれ!!』
と絶望する朝を迎えるのでした。

 

脳は否定形を理解できない


脳には「否定形を理解できない」という特性があります。
理解できないというよりも、「否定形」を理解するために、
否定されている内容や行動を一度イメージ化してしまうという表現の方が正確かもしれません。

「危ないから、走ってはいけませんよ!」
と言われると、脳には、まず「走る」というメッセージが届きます。
その後、「走る」という行為はNGなんだなと理解するのです。

同じ原理を利用した実験として、
  ピンク色のハチマキを頭にしたパンダ机に座って勉強しているところをイメージしないでください」

と言われると、イメージしてしまうというものがあります。

 

この実験も、脳は否定形を理解できないため、一度そのイメージを作ってから
「ああ、このイメージを作るのがNGだと言われているのか!(やべぇ!イメージしちゃったよ)」
と理解することを証明しています。

脳のこの特性は、脳の構造と言語の構造が一致していないために起こります。

言語の構造上は「〇〇〇しないで!」、「〜〜〜はダメ!」と言われると、
「〇〇〇はNG」、「〜〜〜は禁止」と理解できます。

しかし、脳の構造上は
「〇〇〇なんだな!→で、それがNGなんだね」、「〜〜〜なんだな!→で、それが禁止されているんだね!」
と理解する仕組みになっているのです。

そのために、相手に禁止や注意をする指示を与えても、
禁止や注意した内容が脳にはイメージとして届いてしまいます。
もっといえば、イメージが心に焼き付いて暗示を与えることになってしまうのです。

 

私の例でいえば、「遅刻するな!」と言われたり、
「明日は遅刻しない!明日は遅刻しない!」と毎晩念じたりすることは、
「遅刻をするのだ!ぜったいに遅刻をするのだ!」と自己暗示を与えていたことになるのです

メッセージを伝える時には、肯定形で伝えよう!


この脳の特性を活かすにはどうすれば良いのでしょうか?
答えは簡単で、「否定形が理解できないなら、肯定形で伝えればいいのです!」

「遅刻するな!」→「毎朝10分前に、朝礼開始の声かけをしてくれ!」
「走るな!」→「ゆっくり、余裕をもって歩きなさい」

っといった具合です。

あなたが、部下や後輩に指示を出すときは、意識して
否定形を使わず、肯定形で求める行動や結果を伝達してあげてください。
それだけで、相手に求める結果のイメージが伝わりやすくアウトプットも変わってくるはずです。

ちなみに、私の職場では毎月交通マナーの標語を決めており、
毎日の朝礼時に、それをみんなで復唱しています。
先日、「今月の交通マナー標語」が発表されました。

決定された標語は・・・

「焦るだけ 増えるスピード 増す危険。 今日も安全運転で頑張りましょう!」でした。

私が、どんな気持ちになったか・・・あなたなら分かっていただけますよね??

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