優位感覚とコミュニケーションの関係

優位感覚に配慮したコミュニケーションとは

 

人間には、情報を知覚・表現する際に得意とする感覚があります。
この得意とする感覚のことを『優位感覚』と言います。

優位感覚には・・・

視覚情報の処理・表現を得意とする「視覚優位
聴覚情報の処理・表現を得意とする「聴覚優位
身体感覚の処理・表現を得意とする「身体感覚優位

の3種類があります。

この優位感覚は人によって違うため、
同じ体験をしても、感じること、表現する内容が異なります。

この『優位感覚は人によって違う、そのため表現方法の違いが生まれる』
という知識を前提にコミュニケーションをとると、
無意識にコミュニケーションをとるときよりは、より効果的に
メッセージを届けやすくなったり、こちらの話の要点を受け入れてもらいやすくなります。

今回は、優位感覚を考慮したコミュニケーションについて紹介していきます!

相手の優位感覚に合わせた表現を心がける

優位感覚に合わせたコミュニケーションの原則は、
『相手の優位感覚に合わせた表現をする』ことです。

相手の優位感覚に合わせることで、あなたのメッセージは
相手の抵抗に会うことなく、スムーズに心に届きます。

たとえば、相手の人が視覚優位な人で、
あなたが、相手の人のヘアースタイルが素敵であることを伝えたいときに、
「今日のヘアースタイル、ふんわりしてるね!軽い感じで良いね!」
と身体感覚を表現して伝えても、すんなりと理解してもらえません。

それよりは、
「今日のヘアースタイル、ファッションと合ってるね!それに髪色が季節とマッチしてると思う!」
と視覚情報を伝えた方が、理解してもらいやすいです。

ちなみ、私は相手の人をどう褒めて良いか分からない時には、
相手の人に「こだわり」や「気に入ってる所」を質問します。

相手の人が
「私は、服装は動きやすいカッコが好きだから、ヘアースタイルも重くならないようにしてる」と言えば、
その表現にペーシング(波長合わせ)をして・・・

「なるほどね!確かにヘアースタイルは軽い感じでいいね!」と言って
相手の優位感覚に合わせた表現や大切にしているポイントを褒めるようにしています。

仕事の場面では、私はコーチングにて部下と目標設定をする際にも、
優位感覚を大切にしたコミュニケーションを心がけています。

私は、部下の「どんな目標を達成したいのか」がある程度明確になったら、
目標達成時の状況をイメージしてもらうことで、行動することの動機付けをします。

具体的には、目標達成時の感覚を表現してもらいます。
その感覚を表現することで、部下は目標達成を疑似体験することが出来き、
目標を達成したいという気持ちを強くすることで、行動を起こしやすくなるのです!

その際に、「目標達成した時、どんな感覚がするかな?」
と聞いてしまうと、質問自体が曖昧なので
返答も曖昧になり、目的であった目標達成時のイメージ化が出来ません。

そこで、相手の優位感覚に合わせて質問をするのです。
視覚優位なら・・・
「目標達成したときに、何が見える?なにがになってるかな?周りの皆はどんな様子かな?」

聴覚優位なら・・・
「目標達成したときに、何が聞こえる?周りの人はどんな声をかけてくれるかな?」

身体感覚優位なら・・・
「目標達成したときに、どんな気持ちになっている?周りの人たちの雰囲気空気はどんな感じ?」

と言った感じです。
相手の優位感覚に合わせた質問なので、相手の人も答えやすいですし、
目標達成時のイメージを作りやすくなります。

あなたも誰かのコーチングや自分自身の目標達成時のイメージづくりの際に
優位感覚を考慮して表現してみると、
通常よりもイメージがしやすくなることに気づくでしょう!

相手の優位感覚が分からない時や臨場感のある話をしたい時

相手の優位感覚が分からない時・・・
臨場感のある話し方を身に付けたい時・・・

そんな時は、視覚・聴覚・身体感覚を織り交ぜて表現することを心がけてみてください

たとえば、
「昨日見た映画、アクションに迫力があって良かったよ」と言うのではなく、

「昨日見た映画、爆破シーンやカーチェイスが迫力あったよ
シーンとしたサスペンスっぽい場面から急に、ドカーンてビルが爆発する所なんかは、心臓がドキドキしたよ

と表現した方が、臨場感のある話し方になりますし、
相手の優位感覚が分からなくても、3つの優位感覚表現すべてを使っているので
どこかが相手に引っかかることになります。

私は理学療法士として、他職種に患者様の情報を伝達する際にも
この点を意識しています。
「50m程度歩くと、身体の揺れが大きくなってきます足の上りが悪くなり足を床に擦るような音もします
転倒に対する怖さと疲労感のため、だんだんと呼吸が荒くなってくるので、その時は休憩を取るようにしてください」
と言った感じです。

ちょっと長ったらしくなりますが、
「50m程度歩いたら疲労感が出現するので、休んでください」
と伝達するよりは臨場感があり、伝わりやすくなると思います。

私はお笑い芸人の方が話すのを見るのが好きなんですが、
話が旨い人ほど、様々な優位感覚を織り交ぜながら表現されていることに気づきます。
面白い話をするだけでもスゴイことなのに、
そのうえ、人を引き込む話し方が出来るなんて、ちょっと尊敬してしまいます!

あなたも、「この人の話は引き込まれるなぁ」という人がいたら、
優位感覚への働きかけをどうしているのかを観察してみてください。
きっと、いままで意識していなかったことに気づけると思いますよ!

今回は、優位感覚を利用したコミュニケーションについて紹介しました。
優位感覚を配慮しながら会話する感覚を掴んでもらえたでしょうか?

いきなり3つの優位感覚を使い分けて活用するのは難しいので、
自分が得意とする感覚以外の感覚にも注意を向けてみることから始めてみると良いと思います!

 
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