ペーシング(波長合わせ):トラックバック

話している相手の人に波長を合わせることで、
相手の人が自分に親近感を抱いてもらうスキルであるペーシング。
ペーシングなんて名前がついているから、なんだか難しそうなスキルに感じますが、
要は、相手の人にどんどん共感や同調していって、
「この人とは感性が合う!なんだか親近感を覚えるな」
と思ってもらえればいいのです。
今回は、会話中に行うペーシングであるトラックバックについて説明します。
トラックバックは、コツをつかめれば、誰でも簡単に使いこなせますし、
上手に、トラックバックを用いることが出来れば、ペーシングが進むだけでなく
会話も盛り上がります!
ぜひ、あなたにマスターしてもらいたいスキルの一つです!
単なる「オウム返し」ではなく、4種類のトラックバックを意識する
トラックバックなんてカッコいい表現を使っていますが、
コミュニケーションスキルとしては、「オウム返し」として昔から知られています。
たとえば、
「私、昔から甘いものには目がないのよ」と言われれば
「甘いものに目がないんですねー!」と返事するいった具合です。
このように、『オウム返し』では、
相手の言ったことを”そっくりそのまま”使用して、返答をします。
相手の言葉を使い返答をすることで、より深い共感を示すことができ、
その結果、信頼関係を深めることが出来るというテクニックです。
このコミュニケーションスキルは大変有名ですし、あなたも聞いたことがあるかもしれません。
また、実際に「私、使っているよ!」という方もいるでしょう。
この『オウム返し』をより細分化して、テクニックにしたものがトラックバックになります。
トラックバックのスキルは4つに分かれます。
@事実を反唱 A感情を反唱 B要点を反唱 Cキーワードを反唱 |
以下に、具体的な使用例を見てみましょう。

このように、トラックバックの4パターンに従えば、返答のリアクションに
バリエーションが出せるようになります。
実際に、単純な「オウム返し」よりも、より細分化されたトラックバックのパターンを知っていた方が、
よりペーシングをしやすく、会話も盛り上がりやすいです。
忘れてはいけないことなのですが、
トラックバックする際に大切なのは、テクニックそのものではなく
「あなたのメッセージをちゃんと受け取りましたよ!(その証拠にトラックバックしますね)」
という気持ちです。
テクニックや型にとらわれる必要はないので、気楽に会話を楽しみましょう!
相手の体験にペーシングする
相手の体験にトラックバックしてペーシングする際には、
出来るだけ事実に対してトラックバックするように心がけましょう!
たとえば、先ほどの「病院の待ち時間が長くて大変だった」という言葉に対して、
「病院で待ち時間が長いと、後々のスケジュールの予定が狂ってしまいますよね!」と
トラックバックしたとします。
この場合、
「待ち時間が長い」→「スケジュールが狂う」という論理が、必ずしも相手に当てはまるか分かりません。
たまたま相手も同意してもらえると、「そうなのよ!!」とトラックバック成功になりますが、
同意をもらえないと「そ、そう・・・?(私はそう思わないけど。)」と相手は思うことになり、ペーシングが加速しません。
そこで、相手にとって事実であることに重点をおいてトラックバックをします。
「病院で待ち時間が長いと、『まだなのかなぁ??』って思って、いつも以上に時間が長く感じますよね」
といった具合です。
相手は、「待ち時間が長くて大変だ」と言っているのですから、
『まだなのかなぁ?』と思っているはずですし、
『時間が長く感じる』とも感じているはずです。
つまり、このトラックバックの文章は・・・
「病院で待ち時間が長いと、『まだなのかなぁ??』って思って(YES)、いつも以上に時間が長く感じますよね(YES)」
という構造になっていて、相手にとって避けられないYESが埋め込まれているのです。
その結果、相手はあなたがトラックバックした返答に対して、同調することになりペーシングが加速することになるのです。
今回は、ペーシングのテクニックであり、会話を盛り上げるトラックバックを紹介しました。
私は、人と会話することが苦手なタイプだったのですが・・・
トラックバックの考え方やテクニックを知ってからは、以前よりも人と会話するのが楽になりました。
もし、あなたが「会話を盛り上げるには、どうすれば良いんだろう?」と思っているなら、
トラックバックのテクニックを活用してみてくださいね!
最後に・・・
トラックバックは会話を盛り上げ、お互いの親密さを増す効果がある一方で、
トラックバックを多用すると・・・
「この人私の話聞いてるの?」と不快感を抱かれてしまったり、
会話の中身が相手の話ばかりになり、会話が一方通行になるため意思疎通ができなくなる
などの弊害が出てきます。
なにより、トラックバックを使用すると会話が驚くほどスムーズに進むので、
それが裏目となって相手と向き合うことをしなくなり、
表面上(テクニック上)で相手の話を聞いてしまうことになりません。

トラックバックはあくまで「相手と仲良くなるため」のツール・テクニックであり、
あなたがコミュニケーションで『楽』をするためのものではありません。
その点に注意してトラックバックを使用してもらえれば、
あなたはコミュニケーションを通じて
相手の方とより良い関係を築いていくことが出来るようになるでしょう!

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