潜在意識に働きかける変性意識状態

心への通路:変性意識状態とは何か

 

人間の意識には、普段、自覚している「顕在意識」自覚していない「潜在意識」があります。

潜在意識は、意識全体の90〜97%を占めていると言われ、
実は、私たちは自覚していない潜在意識から多くの情報を収集し、判断・行動を決めているのです。

そのために、

頭では理解しているのになんとなく納得できない
ダメだって分かっているのについついお菓子を食べちゃう
この人顔は笑っているけどなんだか目が笑ってない

といった判断や行動をしてしまうのです。

この事実はビジネスシーンでは熱心に研究されており、
潜在意識に対してメッセージを送ったり、働きかけるテクニックが多く開発されています。

ここでは、潜在意識に対してメッセージを送り、働きかけるための前提知識を紹介します。

あなたには、2種類の五感が存在している!

私たちは、五感(視覚・聴覚・身体感覚・嗅覚・味覚)を使って情報を知覚しています。

この五感には・・・
身体の外側を知覚しようとする、『外的五感』
身体の内側を知覚しようとする、『内的五感』の2種類が存在しています。

たとえば、あなたがケーキバイキングに行って、
「たくさんのケーキがある!彩りも可愛いし、甘い匂いもするなぁ」と感じたとします。
この時、あなたは『外的五感』を用いて、身体の外の世界を知覚したことになります。

次に、あなたが先日食べた美味しいケーキのことを思い出したとしましょう。
あなたは、ケーキを食べたときのことを思い出しながら、
「あのケーキは純白のクリームで包まれてて、甘くてフワフワしてたなぁ。」と感じたとします。
この時、あなたは『内的五感』を用いて、身体の中の世界を知覚していることになります。


『外的五感』、『内的五感』など難しい用語を覚える必要はありません。
ここでは、意識が「外」に向いている状態と、「内」に向いている状態の2種類があるんだな
と理解してもらえれば良いでしょう。

潜在意識にダイレクトにメッセージを届けられる!変性意識状態とは?

潜在意識に働きかける方法の研究によって、
潜在意識にメッセージを届けやすい心の状態があることが分かっています。
この心の状態のことを、『変性意識状態(トランス状態)』と言います。

人がこの変性意識状態に入ると、
顕在意識の働きが抑えられ、潜在意識の働きが活性化します。
そのため、変性意識状態になっている人に、メッセージを届けると
ダイレクトに潜在意識に働きかけることが出来きます。

この変性意識状態を活用したもので、有名なのが「催眠術」です!

催眠術では、催眠誘導という手法を用いて被験者を徐々に変性意識状態へ誘導します。
そして、潜在意識の働きが優位になった時に、指示を入れているのです。
たとえば、「あなたの手は重りのように重たくなっていて、もう持ち上がらない!」といった具合に。

ここまで読んで、あなたは・・・
「結局のところ、相手に変性意識状態になってもらうには、どうしたら良いの!?」
「私は、あやしげな催眠術を学びたいわけではないだけど・・・」
と思われているかもしれません。

安心してください!
催眠術を知らなくても、誰でも、簡単に、変性意識状態を創りだすことはできます。

その方法は・・・
『内的五感を使って、意識を内側へ向けていく』ことです。

人は、内的五感を使って、意識を内側に向ければ向ける程、
外的五感を使った顕在意識の働きが抑えられていきます。

催眠術のように、必ずしも全身の力が抜ける程の深い変性意識状態になる必要はありません。
内的五感を駆使して、意識が内側に向くだけで軽い変性意識状態になります。

先ほどの例でいえば、先日食べたケーキを思い出し、物思いにふけるとき
その人は、変性意識状態になっているのです。

そして、ケーキのことを思い出している人に、こんな質問をするとします。

『今度、そのケーキみんなにお土産で持っていったら、どんな感想を持つかな?』
『喜んでもらえるかな?』

質問された人は、今までよりもさらに深く自分の内側い意識を向け、自分との対話を始めます。
「皆もきっと、美味しいって思ってくれるはずだわ」
「絶対に喜ばれるはずよ!今度お土産に買っていこう!」

質問をきっかけに、その人は自分との対話をしながら、さらにさらに意識を内面に向けて
お土産を渡したときの場面や、皆から感想をもらう場面を思い浮かべるかもしれません。


このように、質問されたり、考え事をしたのがきっかけとなって
あなたにも、自己対話をしたり、妄想が膨らんだりした経験があるかもしれません。

この状態こそ、変性意識状態なのです。
実際に、自己対話したり、妄想が膨らんでいる時、あなたは外の世界に対しての鈍感になっていませんか?
それは、顕在意識の働きが抑えられ、潜在意識が活性化しているからです。

変性意識状態は、自分との対話・妄想・考え事など日常生活のいたるところに存在しています。
なんらかのきっかけで、意識が内側から外側に戻ってくると、

「はっ!考え事してた!!」
「えっ!いつの間にこんなに時間が経ってるの!?」

という感覚になります。
この感覚こそ、変性意識状態から覚めて、意識の焦点が潜在意識から顕在意識へ切り替わった瞬間なのです。

催眠術をはじめとした、潜在意識への働きかけでは、
質問や言葉遣い、ジェスチャーを用いて、
相手の意識を出来るだけ内側へと誘導していきます。

そして、自己対話や妄想・イメージを通じて起こしてほしい行動を暗示していくのです。

先ほどのケーキの例では、質問された人は最終的に
「今度、ケーキをお土産にもっていこう!」と決心しています。

質問者から「喜ばれるから、ケーキを買って行きなさい」と一言も言われていないのにも関わらずです。

もし、質問者が「この人にケーキをお土産に買っていってもらおう」意図をもって、質問していた場合、
質問者は、変性意識状態を利用してメッセージを届けたことになります。

さらに言えば、潜在意識は自覚できない領域であり
「ケーキを買おう」と決心した人は、自分で答えを出したと考えます。
そして、自分で出した答えなのだから、行動することに疑問を持つ事はありません。

今回は、潜在意識に働きかける方法の前提知識である変性意識について紹介しました。
変性意識は日常であふれていること、また、それを用いたアプローチが強力であることが
理解していただけたでしょうか?

ここで学んだ知識をもとに、コミュニケーションスキルを学んでいただければ、
あなたの学習がさらに効果的なものになっていくでしょう。

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