あなたの優位感覚は何か?

人間には、視覚・聴覚・身体感覚・味覚・嗅覚の五感があります。
五感の中でも、人によって得意な感覚がそれぞれ違う事を知っていますか?
その人が得意とする感覚をコミュニケーションの世界では、「優位感覚」と言います。
たとえ、同じ体験をしたとしても、
優位感覚が人によって違う事で、
感じ方・表現の仕方に違いが出てくるのです。
今回は、この「優位感覚」の概念を紹介します。
この「優位感覚」の概念を知っておくと、コミュニケーションする際に
相手の優位感覚を考慮した話し方や伝え方が出来るので
メッセージが届きやすくなるので、ぜひマスターしてくださいね!
人間には優位感覚が3つある
人間には、「視覚・聴覚・身体感覚・味覚・嗅覚」の5つの感覚があると言いましたが、
そのうち、味覚と嗅覚の感覚は特定の場面でしか使いません。
「昨日から入院された患者様はどんな感じの人なの?」と聞かれて
『見た目は、香ばしい感じの人だけど、話してみたら酸っぱいよ』
とは答えないはずです(笑)
なので、その二つを除いた3つの感覚のどれかを優位に使用して
私たちは世界を知覚しています。
つまり、視覚優位(Visual)・聴覚優位(Auditory)・身体感覚優位(Kinesthetic)の
3つのどれかを私たちは優位感覚として使用しているのです。
この3つの優位感覚は、頭文字をとってVAKと表現されることもあります。
では、あなた自身の優位感覚は一体何かわかりますか?
これを調べる簡単なテストがあります。
その方法は・・・
「あなたがハワイの海にいるとことを想像してください。」
「そして、その様子を教えてください」
と質問するのです。
視覚優位な人は・・・
「キラキラの太陽、真っ白なビーチ、海と空の青さ」
などの視覚情報を想起し、教えてくれます。
聴覚優位な人は・・・
「波のザーァザーァという音、外国語が聞こえてくる、海鳥が鳴いている」
などの聴覚情報を想起し、教えてくれます。
身体感覚優位な人は・・・
「海のにおいがする、太陽がジリジリと肌に照り付ける、ビーチの砂がサラサラしてる」
などの身体感覚情報を想起し、教えてくれます。
あなたは、どのタイプでしたか??
優位感覚によって、表現方法が変わる
優位感覚の違いは、感じ方ばかりではなく、
表現方法の違いも生み出します。
先程の「ハワイの海」をイメージするワークでも知ってもらったように
優位な感覚で感じるから、その優位な感覚をつかって表現しようとするのです。
そのため、優位感覚の違う人同士で会話をすると
話しが伝わりにくくなり、
意思の疎通が図れないとミスコミュニケーションを生んでしまいます。
たとえば、愛情表現を例にとってみましょう。
ある男性が、最近仕事で忙しくしていて、
「パートナーに寂しい想いをさせたなぁ」
と反省しています。
そこで、『今日は普段はしないけど
しっかりと愛情表現をしよう!』と決心したとします。
そんな彼は視覚優位、パートナーは身体感覚優位だとしましょう。
彼は、何も知らずにこう考えます。
「前から欲しがっていたダイヤモンドを買ってあげよう」
「キラキラに輝くダイヤモンドを見たら、きっと喜ぶぞ!!」

このパートナーを喜ばせようとする彼の作戦の間違いに
あなたは気付くことができていますか?
彼の妄想は、『視覚優位な人が視覚優位な人を喜ばせる』作戦なのです。
つまり、
身体感覚優位なパートナーが欲しいのは、
『キラキラ輝くダイヤモンド』でも、『愛の言葉』でもなく、
身体感覚として、愛情を感じることなのです。
もしかしたら、彼のパートナーはキラキラのダイヤモンドを前に
『本当に私が欲しいのは、モノじゃないのよ!』
と怒り出すかもしれません。
彼からしたら、なぜパートナーが怒ったのか理解できません。
それどころか、彼も気分を害してしまって・・・
というパターンにもなりかねません。
よって、このケースでいえばパートナーの優位感覚に合わせて
パートナーを抱き寄せてハグしたり
腕を組んで散歩を楽しんだりすることが正解と言えます。

このように、、相手の優位感覚を把握していないと、
ミスコミュニケーションが起こってしまったり、
相手のことを誤解してしまったりする可能性が高くなることを
理解していただけたでしょうか?
中には「パートナーの優位タイプなんて分からない!」と
嘆かれている人もいるかもしれません。
でも、大丈夫!
そんなときは、3つの優位感覚すべてにアプローチすればいいのです。
つまり・・・
キラキラ輝くダイヤモンドを差し出したあと、
ぎゅっと抱きしめて、
耳元で「いつも、ありがとう。愛しているよ」と言えば良いのです。
とはいえ、その前にパートナーから愛想をつかされている場合には
どの方法も有効ではないかもしれませんが・・・。
今回は、人間の優位感覚について紹介しました。
自分の身近な人がどんな優位感覚なのかを観察してみてください。
きっと、いろいろな気付きがあるはずです。
当サイトの別ページでは、視覚優位・聴覚優位・身体感覚優位について
詳しく説明しているので、そちらも参考にしてもらえると嬉しいです!

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