観念とは何か

観念という色眼鏡

あなたは『観念』という言葉を聞いたことがありますか?

『観念』はコミュニケーションの領域に始まり、
心理療法・目標達成・性格変容・スピリチュアルの領域などでも
幅広く用いられる用語です。

人間に組み込まれている『観念』というシステムを理解すると、
逆に、先ほどに挙げた様々な分野で『観念』のシステムを
利用することが出来るようになります。

その結果、あなたは今までと違ったモノの見方が出来るようになるだけでなく、
自分の望む性格や目標を手に入れることが出来るようになるでしょう。

今回はその『観念』についてご紹介します。
ぜひ、『観念』について理解するだけでなく、利用できるようになってくださいね!

観念の構造

人間は、『初めての経験』を極度に嫌う傾向があります。
そして、これは人間の本能に根付いている感覚です。

なぜならば、未来の予測のつかない未知の経験は
もしかしたら『死』を意味するかもしれないからです。

そのために、人間は未知の経験に出会ったら、
『過去に同じような精神状態になった状況』を探し、
未知の経験に意味づけをすることで
未知を既知の経験に変えようとします。

 

この一連のプロセスの中の

過去に同じ精神状態だった状況を探す
「ある種の経験に意味づけを行い、経験に解釈を加える

を行っているのが、あなたの『観念』です

極論を言えば、観念とは『経験に対する意味づけマシーン』とも言えます。

上記の例で言えば、観念が(未知の)経験に意味づけを行ってくれることで、
経験を自分が慣れ親しんだ情報に変換し、構造化することができます。

経験を構造化することができれば、
ある程度、経験に対して予想をつけやすくなり、人間は安心感を覚えます。

このように、経験に解釈を加えることで、
体験の曖昧さをなくし、予測をつけやすくするのが
観念の最大の目的なのです。

何があっても観念通りに現実を見る

私たちの通常の感覚では・・・
『現在の体験や目の前の現象を判断材料にして、『これは〇〇という意味だ』と観念が意味づけを行う」
と考えます。

確かにはじめのうちは、そのように観念は働きますが、
観念が『経験の意味づけ』を何度も行う中で、
観念は意味づけをする際に特定の傾向や独自のクセを伴うようになります。

観念からすれば、毎回経験を判断し、その都度意味づけをするよりも
『基本的に、どんなことも〇〇と判断し意味づけする』
とあらかじめ決めておいた方が効率的だからです。
これを観念の強化と呼びます。

例を挙げれば、
子供のころにピーマンを食べて、「苦い!!」という経験を何度もすると、
観念は「ピーマン=苦い=苦痛だ」という意味づけの効率化(=観念の強化)を行います。

そうなると、大人になってピーマン入りの料理を見ると・・・
『あっ!私、ピーマンちょっと苦手なんだよねぇ・・・。美味しくないし・・・。』と思ってしまうのです。

実際にはピーマンは美味しいかもしれないのにも関わらず
『ピーマン=苦痛だ』という観念が強化されてしまった結果、観念通りに現実を判断してしまうのです

私たちは生きていく過程で、観念をどんどん強化していきます。
その結果、ある現象が起きます。
それは・・・

現実が何であっても、観念に従った意味づけしかしなくなる』というものです。

たとえば、『私は嫌われている』という観念を強化してしまった人は
どんなことがあっても『私は嫌われている』と判断してしまいます。

さらに言えば、『私は嫌われている』という観念に従った現実しか見なくなり、
観念はますます強化されていくのです。

この状況を言い換えると、私たちは
『現実を見て、そこに解釈を加えている』のではなく、
現実をどう解釈するかはすでに決まっており、観念に即した現実を見ている』のです。

そして、人間は、あらかじめ決まっている解釈に行きつくために、
必要に応じて体験を『削除』し『歪曲』しています。

あなたには『給食でカレーライス食べた日は、晩御飯もカレーライスの確率が高い』
というカレーあるあるを聞いたことないですか?
これも観念の強化と、体験の削除の例になります。

つまり、昼ごはんにカレーを食べた日の
夜ご飯もカレーだった場合、「やっぱりそうだ!」と観念は強化されます。

しかし、夜ご飯がカレーでなかった場合、
『カレーあるある』のことなんかすっかり忘れてしましまうのです(体験の削除)

 

すべてはあなたの『思い込み』という事実

ここまでの話を整理すると、
あなたが行う現実世界の解釈は、すべて『観念』というフィルター(色眼鏡)を通じて行われていることが分かります。

フィルター(色眼鏡)を通して現実を解釈しているということは、
「この世界は〇〇だ!」という解釈は、あなたの思い込みでしかないということです。

本当は、
「この世界は△△だ!」
「この世界は□□だ!」
「この世界は××だ!」
かもしれないのです。

いろんな解釈の可能性がある中から、
あなたの観念に従った解釈を選んでいるに過ぎないのです。

自分の観念を癒す魔法の言葉として、私がおすすめなのは、

『それって本当?』

です。

この一言を自分に投げかけることで
「あっ、もしかしたらこれは自分の思い込みで事実ではないのかも」
と気づくことが出来ます。

「それって本当?」の活用方法を以下に紹介します。

≪削除の例≫

『私って本当にダメ・・・。』→『それって本当? 何がどうダメなの?』

『みんながそう言っている』→『それって本当? みんなって具体的にだれが?』

≪歪曲の例≫

『天気が悪いと膝が痛む』→『それって本当? 天気と痛みは100%関連しているの?』

『彼氏が浮気している』→『それって本当? 実際に見たの? その根拠は? その根拠は100%浮気の証拠になるの?』

≪一般化の例≫

『課長にはだれも逆らえない』→『それって本当? 逆らったらどうなるの?絶対に逆らえないの?』

『あなたが協力してくれたら成功したのに』→『それって本当? 協力と成功の因果関係はあるの?』

このように自分に質問することで、
『自分の想いは、実は単なる観念による解釈でしかない。絶対的な事実ではない』
と気づくことが出来るようになります。

自分の問題だけでなく、後輩や部下の話を聞く際にも、
相手の人がどんな観念をもっていて、どんな解釈をしているのかを
把握していくと、より深く相手のことを理解することが出来るようになります。

また、相手の人がはまり込んでいる観念から抜け出す手伝いも
出来るようになります。

今回は『観念』について説明しました。
観念について理解していただけたでしょうか?
観念の考え方は、様々な分野で引用されるので、知っておくと便利な知識だと思います。

ここで紹介した『観念』の知識を利用して、
あなたのコミュニケーションの質をさらに高めてもらったり
あなたの目標達成を邪魔する思い込みを取り除いてもらったりして、
人生をよりスムーズに楽しんでもらえたら嬉しく思います!

 
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