歪曲を利用したコミュニケーションテクニック

省略・歪曲・一般化を利用したコミュニケーション:歪曲

 

脳は体験や知覚を言語化する際に、

「省略・歪曲・一般化」を伴って、体験や知覚の定義づけをしてしまいます。

 

この人間の脳が行う言語化のクセを利用したコミュニケーション手段が存在します。

 

今回は、『歪曲』に焦点を当ててスキルの概要を紹介していきます!

『歪曲』のコミュニケーションスキルの全体像は以下のようになっています。

 

 

 

 

では、ひとつひとつを掘り下げて見ていきましょう!

 

 

因果関係(A→B)

『因果関係(A→B)』とは、『Aという事実が原因となってBという事象が起きる』という話の構造の中で、

Bの中に自分が届けたいメッセージを入れるといテクニックです。

 

因果関係のテクニックは・・・

 

@リンキングワード:『〜によって』、『〜だから』、『〜ながら』

A『AがあなたをBにする』

 

の2種類に分けられます。

 

(例1:リンキングワード)

『フレームワークを学んでいくうちに、この知識を人に広めたいと思うようになるかもしれません』

 

→フレームワークを学ぶという事実を用いて、この知識を広めたくなると相手に暗示している

 

 

(例2:リンキングワード)

『彼ともう一度話し合うことによって、お互いの考えが似ていると気づくでしょう』

 

→彼と話あうという事実を用いて、お互いの考えが似ていると気づくと相手に暗示している

 

 

(例3:AがあなたをBにする)

『このサイトでフレームワークを学ぶことが、あなたを素晴らしい管理者・リーダーにするでしょう』

 

→フレームワークを学ぶという事実を用いて、あなたが素晴らしい管理者・リーダーになることを暗示している

 

 

(例4:AがあなたをBにする)

自己投資が、10年後のあなたのパフォーマンスを変えるのです!』

 

→自己投資と言う事実を用いて、パフォーマンスが変わることを相手に暗示している

 

なんとなくでも、例文を読むことで『歪曲』のテクニックのニュアンスを掴んで頂くことが出来るでしょうか?

 

歪曲の構造は、「Aという事実」を打ち出して、「Aということは、Bが起こりますよね!?」と伝え

あたかも、Bも事実であるかのようにメッセージを届けているのです。

 

 

 

 

この歪曲の構造を理解した上でほかのテクニックも見ていきましょう!

 

 

複合等価(A≒B)

『複合等価(A≒B)』とは、『Aという事実はBであることを意味する』という話の構造の中で、

Bの中に自分の伝えたいメッセージを入れるというテクニックです。

 

複合等価は・・・

 

@リンキングワード:『そして』

A『AということはB』

 

の2種類に分けられます。

 

(例1:リンキングワード)

『あなたは経営を学び、そしてより大きな視点で会社運営をとらえることが出来るようになるでしょう』

 

→経営を学ぶという事実を用いて、より大きな視点で捉えられるようになると相手に暗示している

 

 

(例2:AということはB)

『セミナーに参加するということは、問題解決をすることに本気だということです』

 

→セミナーに参加するという事実を用いて、問題解決に本気であると相手に暗示している

 

ここでの例文を見てみると、

複合等価では、「Aという事実は、Bということでもありますよね!?」と伝え、

あたかも、Bも事実であるかのようにメッセージを届けています。

 

 

 

 

『因果関係』にしても、『複合等価』にしても

Aの事実の部分には、相手にとって身近でジャストな内容であるほど、

Bのメッセージの部分を信じてもらいやすくなります。

 

たとえば、毎日血圧の測定をしている患者様が、

『最近、血圧が安定しているわ』と話しているのを受けて、

『血圧が安定してきているということは、運動によって心肺機能が高まったってことですよ!』

と伝えると、『心肺機能が高まった』というメッセージがより届きやすくなります。

 

 

マインドリーディング

『マインドリーディング』とは、『誰にでも当てはまる内容を言って、相手の心を読んだフリをする』ことで

相手からの信頼を得るというテクニックです。

 

マインドリーディングは・・・

 

@誰にでも当てはまることを言う

A相手の疑問を先読みする

 

の2種類があります。

 

(例1:誰にでも当てはまること)

『人間関係で悩んでいる感じがするけど、何かあった?』

 

→人は誰でも、人間関係で悩む。全ての悩みは人間関係の悩みであるとする心理学もある。

 

(例2:誰にでも当てはまること)

『もっと成長したい気持ちと怠けたい気持ちの間で悩んでるんじゃない?』

 

→人は誰でも、両面を持ち合わせている

 

 

 

(例3:疑問を先読みする)

『どこまで話していいか迷ってるんじゃない?話して良いなと思える範囲で話せばいいからね』

 

 

(例4:疑問を先読みする)

『なぜ、あなたにノウハウをすべて話してくれるんだろう?って思ったんじゃないですか?それはね・・』

 

マインドリーディングをいきなり使うことはありませんが、

話の途中で、このテクニックを使いながら、相手の話に共感するなどして

信頼関係を作っていくことができるようになります。

 

 

 

 

 

判断

『判断』とは、『価値判断する主語をあえて省く』テクニックです。

価値判断をする主語を省くことで、メッセージを普遍的な一般論として

伝えることが出来き相手の反発が起きにくくなる

 

(例:判断)

『ビジネスでフレームワークを知らないということは、生産性がいつまでも上がらないということです。』

 

→この判断をしたのが誰かが省略されており、あたかも一般論であるかのように聞こえる。

 

 

※主語があった場合・・・

『ビジネスでフレームワークを知らないということは、生産性がいつまでも上がらないということだ、と斉藤さんが言っています』

 

→斉藤さんって、そもそも誰だよ? 斉藤さんの意見は絶対なのかよ?(心理的な抵抗が起こっている)

 

私の大好きなお笑い芸人さんは、観察してみると、この『判断』のテクニックの変法を使って

聞く人の注意を喚起することを得意としていることに気づきます。

 

たとえば、

「女性が注射されてるところ見たら、興奮するよな!」みたいな感じです。

 

『女性が注射されてる=興奮する』というのは、芸人さんの判断なのですが

あえて、一般論っぽく話しているのです。

 

しかし、「女性が注射されてるところ見たら、興奮する」というのを一般論として

受け入れるのは、聞いていてちょっと無理があります。

 

その結果、聞いてるこちら側としては、「はっ?なんで?なんでそう思うわけ?」

と疑問に思ってしまい、否が応でも芸人さんの話の続きが気になってしまうのです。

 

通常の「判断」のテクニックをさらに発展させた話術であり、

この話術のテクニックを無意識に使っている芸人さんは、さすがだなぁと感服してしまいます。

 

 

 

 

今回は「歪曲」のテクニックをご紹介しました。

歪曲のテクニックは、相手に「事実っぽい」あいまいなメッセージを伝えることで、

『それが事実であると思い込んでもらう』テクニックであると言えます。

 

部下や後輩のコーチングをする場面で、伝えたいメッセージを

こうしたテクニックに乗せて伝えると、より心に響きやすくなります。

ぜひ、試してくださいね!

 

最後に・・・

試行錯誤をしながら、あなたはテクニックを身に付けていくことでしょう!

実践を積み重ねることが、テクニックを自然なものにし、

そして、あなたは『歪曲』の技術を使いこなしている自分に気づくと思います。

 

やってみたいけど、どこまでできるか自信が持てないかもしれませんし、

「そんなこと本当に可能かなぁ?」って、あなたは疑問に思っているかもしれませんね!

 

でも、大丈夫!

 

『自信がなくてもやってみること。それこそが、成功するために必要な心構え』

 

なのですから!

 

 

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