あなたが世界を創る

突然ですが・・・
私たちが住んでいるこの現実世界には、2種類あると知っていますか?
1つ目は『絶対的な現実世界』
2つ目は『あなたが創造した世界』
おっ!なんだかスピリチュアルで怪しげな雰囲気がしてきましたね!
大丈夫、安心してください。
ここでは、コミュニケーションを考える上で大切な脳科学の考え方をご紹介します。
私たちは世界をどうやって認識しているか?
『絶対的な世界』とは、あなたが知覚する前のあるがままの世界
『あなたが創造した世界』とは、あなたが知覚を通じて感じ取り、言語化した世界
と定義することが出来ます。
分かる人には「あ〜!なるほどね!」と言ってもらえるかもしれませんし、
分からない人には「全然、何の話なのかさっぱり」と感じられる話だと思います。
そこで、もう少し説明を続けましょう。
ここでは、あなたがどうやって『世界を創造しているか』を見ていきます。
たとえば、あなたがコーヒーを飲んでいるとします。
あなたは温かいコーヒーを飲んで「あ〜、リラックスできて癒されるなぁ」
とほっこりしてしまいます。
この状況を脳科学の観点から分析すると、この行為は・・・
@コーヒーを飲む行為から生じる情報を五感で知覚する
A知覚した情報を言語化(ラベリング化)し、自分の体験に名前を付ける
B名前をつけた体験を言語化(ラベリング化)することで、それが自分にとってどんな意味があるかを判断する。
というプロセスに分けることが出来ます。
つまり・・・
@「コーヒーの色・香り・味・温度・コップの重さ」などの情報を五感を通じて感じ取り、
Aそれらの情報を知覚し、言語を使って「私はコーヒーを飲んでいる」と体験を定義し、
Bそのうえで、言語を使ってコーヒーを飲むことの判断を下している(「あ〜リラックスできて癒されるなぁ」)のです。

これが、私たちが世界を認識している一連の流れになります。
この一連の流れの中で・・・
@知覚(五感を通じて情報を感じる)は、あなたの脳の外部の事象であり、
A認知・認識、B判断は、あなたの脳の内部の事象であると言えます。
よって、
@知覚する情報(世界)は、『知覚する前のあるがままの世界』であり、
A〜Bの認知、判断のプロセスで、あなたが感じる世界は『知覚を通じて感じ取り、言語化した世界』であると言えるのです。
コミュニケーションの世界では、前者を『1次的体験』、後者を『2次的体験』と呼びます。
あなたは1次的体験を語ることはできない。
1次的体験とは「五感を通じて脳に送った言語化(ラベリング化)されていない体験」であり、
ただの感覚刺激であると言えます。
そのため、1次的体験はみんなと共通の体験です。
2次体験とは「あなたというフィルターを通して言語化した体験」であり、
あなたというフィルターを通っている以上、言語化する際にあなたの主観が入ってしまいます。
主観は一人ひとり違うわけですから、2次的体験はみんなと共通でない体験と言えます。
たとえば、先ほどのコーヒーを飲む例でいえば、コーヒーを飲んだ『判断』として
「癒されるなぁ」と感じる人もいれば、
「ブラックは苦手だなぁ。やっぱりミルク多めが私は好きだなぁ」と感じる人もいるでしょう。
また、そもそも『認知・認識』として、
「コーヒーを飲んでいる」と考えずに
「水分補給をしている」と言語化する人もいるかもしれません。

以上のことから・・・
1次的体験とは『客観的』であり、ゆるぎない絶対的な現実世界であること
2次的体験とは『主観的』であり、絶対的ではない(解釈が人によって異なる)現実世界であること
を理解していただけたでしょうか?
あなたが現実世界の説明をするとき、現実世界の解釈を話すとき、
それは2次的体験を語っているのです。
これが、あなたは1次的体験そのものを語ることができない理由です。
あなたが世界を創っているのだから、創り直すこともできる
あなたは、1次的体験をもとにして言語化を通じて解釈し、2次的体験を創りだしています。
言い換えるなら、『あなたが体験している世界は、あなたが創っているのです。』
ということは、望まない現実があるなら、あなたが現実を創りかえることができると言うことです。
では、どうやって世界を創りかえるのでしょうか?
ヒントは2次的体験を創りだすプロセスにあります。
言語化(ラベリング化)を用いて、認知や判断を行い世界を創っているのなら、
そのプロセスを逆行すればいいのです。
たとえば、
『私はみんなに仕事ができないって言われる』
『私、なにやってもうまくできない』
と感じている女性がいるとします。
あなたは、これは女性の『判断』であり、1次的体験ではないと分かるでしょうか?
ここでは、職場で先輩に注意をされたから、女性が自信を無くしたとしましょう。

あなたが、この女性の世界を創り直す手伝いをするならば、
2次的体験→1次的体験へと戻れるように、質問をしていくのです。
<判断に対する質問例>
『みんなって、誰と誰がそういうの?』
→「いや、みんなっていうか、具体的に誰ってことではないんです。そんな風に感じるというか・・・」
『仕事が出来ないって、具体的には?何か失敗したの?』
→「実際に失敗したわけではないんです。注意されたというか・・・」
『何やってもってことは、今まですべてのことに失敗してきたの?』
→「そんなことはないですよ。自信が持てない時があるだけで・・・」
<認知・認識に対する質問>
『なんで先輩に怒られたって認識することにしたの?』
→「だって、声を荒げてたから。目つきも怖かったし・・・。」
『先輩はいつもはどんな感じなの?声を荒げて、目つきが怖い時は、いつもあなたを注意するときなの?』
→「いつもは優しく注意してくれるなぁ。今日はどこか機嫌が悪かったのかなぁ。怒られたわけではないのかも」
このように、2的体験を逆行できるように質問し、それに答えてもらうたびに
女性は、言語化による解釈を伴わない1次的体験の世界に戻ることが出来ます。
1次的体験には、認識・判断がないので意味が決まっていません。
そのため、1次的体験に戻ることができれば、
再び新しい解釈を選択し、自分が経験する世界を創り直せばいいのです。

自分自身で、1次的体験にまでプロセスを逆行することも可能です。
方法は、とても簡単です。
体験の結果、何かを判断して、それが自分の嫌な現実だとすれば・・・
『それって本当?』
と自問してみてください。
2次的体験に『本当のこと』なんて存在しません。
主観の世界なのですから、客観的事実は存在しえないのです。
だから、「それって本当?」と質問するたびに、
自分自身が体験とそれに伴う判断を「客観的」に見直す機会を持つ事が出来るのです。
「もうだめだ!上手くいかない」
「ああ、きっと僕はみんなに嫌われているんだ」
「僕なんて、管理者を務める能力がないんだ」
「なんであの部下は僕の指示が伝わらないんだろう」
私自身、悩みにぶつかっては、何度も「それって本当?」と自分に自問してきました。
質問するたびに、「あっ、自分の思い込みかも」と気づくことができ、心が軽くなりました。
ぜひ、あなたにも試してもらいたいです!
1次的体験、2次的体験の概念は理解していただけたでしょうか?
この概念を理解し、「体験を定義づけし、世界を創っているのは自分なんだ」と気づくことができれば、
あなたは、新しい観点からこの世界のことを見れるようになるでしょう。
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