あなたが信頼関係を築くために、まず始めることは何か?

世の中には、あっと言う間に人と打ち解けられる人と、
人見知りをしてしまって、心の距離がなかなか縮められない人とがいます。
私自身は人見知りの強いタイプで、人と打ち解けるのに苦労をします。
人とすぐ仲良くなれる人を見ていて、「うらやましい」と思うことも多いです。
コミュニケーションの世界では、人と信頼関係を築くテクニックが研究されています。
今回は、その基礎となる『人と仲良くなるための考え方』を紹介します。
『人と信頼関係を築く」というのは、個人個人の才能に依存すると私は考えていましたが、
その方法論は科学することが可能なのです!!
具体的な方法論は他ページで紹介するので、ここではまず前提となる考え方をマスターしましょう!
コミュニケーションのゴールは相手を導くこと
コミュニケーションには、
日常で行われる『情報のやり取り』を目的としたものと、
仕事上で行われるような『相手が良い方向に変化すること』を目的としたもの
の2種類に分かれます。
私たちが家族や友人と『情報のやり取り』を目的としてコミュニケーションする際に、
「信頼関係を築かなくては!!」と肩ひじを張ることはないと思います。
むしろ、「この人と信頼関係を築きたい」と思うのは・・・
「患者様が退院したときにむけて、悪い習慣を止めてもらわないといけない」
「後輩が仕事で結果を出すために、仕事の段取りをもっと覚えてもらいたい」
のように、同僚や部下、患者様・利用者様にコミュニケーションを通じて『変化を促したい』場面ではないでしょうか?
『コミュニケーションを通じて、相手を望ましい変化へ導く』ことをリーディングと言います。
コミュニケーションのゴールをリーディング(=相手を導く)だとすると、
リーディングを達成するために、必要なステップは以下のようになります。

このように、
リーディング→信頼関係の構築(ラポール形成)→親近感の構築(ペーシング)→観察のステップに逆算出来ます。
つまり・・・
相手を導くためには、信頼関係が構築されていることが必要で、
信頼関係を築くには、お互いに親近感を抱いていることが必要で、
親近感を抱くためには、相手のことをよ〜く観察することが必要であるということです。
信頼関係の構築には、ペーシング(親近感の構築)が必要
医療や介護の分野では、患者様・利用者様と信頼関係の構築(ラポール形成)をしましょう!
と研修や資格取得の学習過程で学ぶことが多いかもしれません。
私も理学療法の学生だったころ、授業で「ラポール形成が大切だ!」と学びましたが、
『じゃあ、結局、ラポール形成のためには、何をすれば良いのさ?』と疑問に思っていました。
しかし、授業では「ラポール形成が大切!」に終始し、具体的な方法は教えてもらえませんでした。
『じゃあ、結局、ラポール形成のためには、何をすれば良いのさ?』に対する答えこそが、ペーシングです。
ペーシングとは突き詰めて表現すれば、『相手とペース(波長)を合わせることで親近感を持ってもらう』テクニックです。
対象となる人にペースを合わせていくと、だんだんとお互いの波長が合ってきます。
その結果、相手は・・・
「この人は自分と似ている」
「この人とは私と同じだ」
と感じてもらえるようになり、次の段階である信頼関係の構築を行う準備が出来上がります。
あなたにとって、なんとなく”ウマがあって仲の良い”友人を思い浮かべてみてください。
なぜ、あなたはその友人と仲良くなったのでしょうか?
おそらく、自然とあなたと友人の人とは、趣味・境遇・価値観・考え方・行動パターンなどが
似ていたのではないでしょうか?
その結果、「この人とは波長が合うなぁ」と感じて仲良くなっていったのだと思います。
これは、たまたま、趣味・境遇・価値観・考え方・行動パターンなどがペーシング(波長合わせ)できたために、
『無意識』に親近感が沸いた例であると言えます。

だとするならば、この流れを『意識的』に作り出せばいいのです!
意図的に、相手の趣味・境遇・価値観・考え方・行動パターンなどにペーシング(波長合わせ)をするのです。
これが、親近感を抱いてもらうためのテクニックであるペーシングの考え方です。
実際のペーシングのテクニックは他ページで紹介していますので、そちらを参考にしてください。
ペーシングの基礎:何を観察すればいいのか!?
ペーシングは、趣味・境遇・価値観・考え方・行動パターンに対して行うと説明しましたが、
その他にも「身体的な特徴・身体の使い方」もペーシングする対象になります。
趣味・境遇・価値観・考え方・行動パターンに対してのペーシングは、顕在意識に働きかけますが、
身体的な特徴・使い方に対するペーシングは、潜在意識に働きかけることになります。
潜在意識への働きかけは、意識で自覚できないものですが、
ちゃんと身体的な特徴・使い方へのペーシングも相手の心に届きます。
むしろ潜在意識に働きかけている分、
「この人は、なんとなく、自分と似ているなぁ」
「この人とは、なんとなく、波長が合うなぁ」 と感じることになり、より強力なテクニックであると言えます。
身体的な特徴・使い方へのペーシングをする上で、
その人が、どんな身体的な特徴・使い方をするのかを観察する必要があります。
以下に、観察ポイントをまとめてみたので、参考にしてください。
<見る> <聞く> <感じる> |
大まかではありますが、こういったポイントをまずは観察することから始めてみましょう。
私自身、この項目を参考にして患者様・利用者様を観察しながら会話をしていると、
その人その人に特徴的な身体の使い方があることに気づかされます。
その人独自の身体の特徴・使い方に気づけたら、チャンスです!
そこにペーシングをすることで、一気に仲良くなることができるからです!
ぜひ、あなたもできる範囲から観察を始めてみてください。
今回は、リーディングの基礎になるペーシング、ペーシングの基礎になる観察について説明しました。
ペーシングのテクニックは他ページで紹介しています。
ここで学んだ、知識をもってペーシングのテクニックをどんどん学んでもらえたら嬉しいです!

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