一般化を利用したコミュニケーションテクニック

省略・歪曲・一般化を利用したコミュニケーション:一般化

脳は体験や知覚を言語化する際に、
「省略・歪曲・一般化」を伴って、体験や知覚の定義づけをしてしまいます。

この人間の脳が行う言語化のクセを利用したコミュニケーション手段が存在します。

今回は、『一般化』に焦点を当ててスキルの概要を紹介していきます!
『一般化』のコミュニケーションスキルの全体像は以下のようになっています。

 

では、ひとつひとつを掘り下げて見ていきましょう!

全称限定詞(普遍的数量詞)

『全称限定詞』とは、『すべて、いつも、常に、どこでも、みんな』などの言葉を使うテクニックです。
これらの言葉は、現象を一般化する力を持っています。

(例1)
『だいたい皆さん、点滴されると元気になられますよ』

→100%確実に元気になるわけではないが、「皆さん」が使われることで、あたかも100%のようなニュアンスになる。

(例2)
『あの先生は、いつも親身になって話を聞いて診察してくれます』

→100%確実に親身になってくれるわけではないが、「いつも」が使われることで、あたかも100%のようなニュアンスになる。

 

必然・可能性

『必然・可能性』とは、『必然や可能性の助動詞表現を用いてメッセージを暗示する』テクニックです。

助動詞表現とは、「できる(can)、必要がある(need)、するべき(must)、した方が良い(should)」を指します。

(例1)
あなたは変わることが出来ます

→助動詞表現が強調されることで、前半部分が受け入れられやすくなる

(例2)
あなたは幸せになるべきです

→助動詞表現が強調されることで、前半部分が受け入れられやすくなる

(例3:発展編)
『あなたは変化することができますか

→「出来る」+「疑問文(Yes or No)」の2重構造で、さらに前半部分が受け入れられやすくなる

(例4:発展編)
『あなたは変化することが出来る知っていますか?』

→「出来る」+「疑問文(Yes or No)」の2重構造で、さらに前半部分が受け入れられやすくなる

 

前提:時の従属節

「時の従属節」とは、「〜の前に、〜の後に、〜の間に、〜するにつれて、〜するとき」などの、
時を示す副詞節の中に伝えたいメッセージを入れるテクニックです。
※別に副詞節の意味が分からなくてもOKですよ!

(例1)
あなたが私のことを信頼してくれる前に、お互いのことを少し話してみませんか?』

→「あなたが私を信頼すること」を当たり前の前提かのように伝えることで、メッセージを暗示している
 お互いのことを話合うことに合意すると、それは、あなたが私を信頼することにも同意したことになってしまう。

(例2)
あなたの下肢筋力が強くなるにつれて、どんなことがやってみたいか一緒に考えましょう!』

→「あなたの下肢筋力が強くなること」を当たり前の前提かのように伝えることで、メッセージを暗示している
 どんなことがやってみたいかを考えることに合意すると、下肢筋力が強くなるという暗示を受け入れたことになる。

 

前提:順序を示す

『順番を表す』とは、「まず、最初に、2番目に、最後に」等の言葉を用いて、暗示を伝えるテクニックです。

(例1)
まずは最初に、何からなら始められるかを一緒に考えよう!』

→この文章では、「始めること」が前提として埋め込まれている。
 さらに、「最初に」と言うことで、「2番目」、「3番目」の行動があり、それも行うことを暗示している。

 

前提:あるいは・それとも

『あるいは・それとも』とは、AかBという形で選択肢を与えることで
少なくともAかBのどちらかを選ばせることができ、かつその前提を暗示することができるテクニックです。

(例1)
今日の持久力トレーニングは屋外歩行にしますか?それともエアロバイクにしますか?』

→こう質問されたら、どちらかを選ばざる負えない。
 かつ、この文章では「持久力トレーニングすること」が前提として埋め込まれており、持久力トレーニングをせざる負えない。

(例2)
今日の歯磨きは、パパにしてもらいたい?それともママにしてもらいたい?』

→パパかママかを選ぶことで、歯磨きすることが前提として刷り込まれ、歯磨きを否定できなくなる。

 

前提:意識の叙述

『意識の叙述』とは「知る・気づく・理解する」等の言葉を使い、
その前にある文章全部を前提として暗示させるテクニック。

(例1)
最近あなたが、すっごく魅力的になっていることに自分で気づいてる?』  
→表面上は「気づいているか」を聞かれているが、
 実は、「最近あなたが、すごく魅力的になっていること」が前提として刷り込まれる。

(例2)
『あなた自身、今までに何度も失敗を乗り越えて、成長してきたこと知っていますか?

→表面上は「知っているか」を聞かれているが、
 実は、「今までに何度も失敗を乗り越えて、成長してきたこと」が前提として刷り込まれている。

 

前提:副詞と形容詞

『副詞と形容詞』とは『副詞や形容詞』を用いて文章の中身を前提として暗示するテクニックです。

(例1)
『ここで学んだことを、素早く行動に変えることが出来そうですか?』

→表面上は「素早く」できるかどうかが聞かれているが、
 実は「行動に変えること」が前提として刷り込まれている。

(例2)
部下や後輩から頼りにされる存在になることにどれくらい興味がありますか?』

→表面上は「どれくらい」かの程度を聞かれているが、
 実は「部下や後輩から頼りにされる存在になること」が前提として刷り込まれている。

 

前提:時の変化の動詞と副詞

『時の変化の動詞と副詞』とは、『始める・終える・続ける・すでに・まだ』等の言葉を用いて
前後の文章を前提として暗示するテクニックです。

(例1)
『これからも、チャレンジし成長すること続けていきたいですか?』

→表面上は、「続けていきたいか?」が聞かれているが、
 実は、「チャレンジし成長すること」が前提として刷り込まれている。

 

前提:注釈の形容詞と副詞

『注釈の形容詞と副詞』とは、『幸いにも、無邪気に、必然的に、面白いことに』などの言葉を用いて、
続く文章全体を前提として暗示するテクニック。

(例1)
面白いことに自分で意識しなくなると、人から尊敬が得られるようになるのです』

→「面白いことに」を強調していると見せかけて、
 「自分で意識しなくなると、人から尊敬が得られるようになる」ことが前提として刷り込まれている。

今回は、一般化を利用したコミュニケーションスキルを説明しました。
種類が多いので、混乱してしまうかもしれませんね!

ちなみに、前提のテクニックは、前提を重ねれば重ねるほど
話の構造が複雑になり、相手に受け入れられやすくなります

たとえば、「彼はいつも輝いている」と言っても、
「そう?私はそうは思わないけど・・・」と反発を食らうかもしれません。

しかし、
『興味深いことですが、彼はいつも輝き続けていることに、あなたがどれくらい気づき始めているのかに、私は関心があります』
なんて言われると、もはや聞き手は混乱してしまい、
「彼は輝いている」という前提はすんなり受け入れてしまいます。
※文章にすると、うさん臭くなりますが、会話の中だとある程度は自然に感じます。

コミュニケーションスキルを身に付けるには、実践がなにより大切です。
実践するために、ある程度、例文や定型文を自分で作っておいて
それを使うことから始めると、身に付けられるようになりますよ!

あなたがこれらのスキルをマスターする時、まず何から始めますか?
あなたが自分の可能性に気づき、どれくらいのスピードで習得することが出来るかに、私は興味があるんです!
嬉しいことに、仕事あるいはプライベートの場面など、実践を積むのはどこでも可能なんですよ!

できるところから、始めてみてくださいね!

 
Sponsored Link
Sponsored Link


HOME フレームワークって何? フレームワークを学ぶ意義は? 当サイト活用3つの戦略 プロフィール お問合せ